ポンピングブレーキは死なず!? 知っておけば今でも有効な昭和テクだ!【連載 おっさんに訊け!】

■ブレーキロックがもたらす恩恵

 たとえば、砂利道や舗装されていないオフロードでは、ABSが効くことによって、かえって制動距離が延びてしまうことがある。

「砂利道なんてどこにあるの?」
「そんなところ走らないからカンケーない!」

 そう反論されそうだが、雪道でもブレーキをロックさせたほうが止まるケースが存在する。ブレーキがロック、つまりタイヤの回転が止まると、タイヤの溝もそのまんま止まる。そこに新雪とか、アイスバーンの出っ張りとかが引っかかって、減速してくれることがあるのだ!

ひと口に雪道と言ってもさまざまで、新雪の積雪路、圧雪の積雪路、シャーベット状の路面、アイスバーン状態など、その状態によって走り方を考えなくてはならない
ひと口に雪道と言ってもさまざまで、新雪の積雪路、圧雪の積雪路、シャーベット状の路面、アイスバーン状態など、その状態によって走り方を考えなくてはならない

 たとえば、アイスバーン上でブレーキを踏んだらABSが作動しまくってほとんどまったく減速Gが出ませんでした! という時。そもそもアイスバーンの上ではフットブレーキをできるだけ使わず、エンジンブレーキだけでホンワカ減速すべきなんだけど、わかんなくてブレーキをかけたら減速Gゼロ! 目の前にガードレールが迫る! やべエッ! ということはあるだろう。

 そんな時、そのままABSを効かせまくっていても、減速Gはたぶん最後まで出ない。そのまんま突っ込む確率は高い。だったらもう、押してもダメなら引いてみな! ってことになる。

 一度ブレーキをゆるめてもう一度踏み込めば、現代のABSでも、ほんの一瞬は「ガッ」とロックする。その時、タイヤの溝が氷や雪の出っ張り(あればですが)にひっかかってくれればしめたもの。そうやってポンピングを繰り返せば、ひょっとしてガードレールに突っ込んでお陀仏にならずに済むかもしれない!

 うまく行かずにお陀仏になる可能性も十分あるが、最後まで諦めずにベストを尽くしたいなら、ポンピングブレーキに賭けてみるしかない! ブレーキを一旦離す根性があるかないかが、運命の分かれ目となるかもしれない!

 え、どこで練習すればいいのかって!? うーん、どこでしょう……。雪が積もってる広い安全な広場みたいなところでやってみてほしい! 根性があればきっとどこかに見つかるだろう。健闘を祈る。

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