2023年のオートサロンには、4台のカスタマイズカーを出展した群馬トヨタグループ(GTG)。どれも力作揃いであり、力強いRVカスタムからスタイリッシュなカスタムまで、懐の深さを見せてくれている。トヨタディーラーが手掛けた熱い4台のカスタマイズカーを紹介していく。
文/写真:佐々木 亘
■ランクル70のカスタムはオーナー車だった!!
まず目に飛び込んできたのが、青色のランクルだ。どうやらピックアップトラックのランドクルーザーのようだが、放たれているオーラが、他のカスタマイズカーとはどこか違う。
ベースとなっているのは、2014年に復刻されたランドクルーザーの79型。純正シュノーケルやARBバンパーが目を引き、荷台部分には架装も施されている。ウィンチも装着され、オフロードを走行するというレベルではなく、本格的に山の中で仕事を出来るような仕様だ。
それもそのはず、このランクルはGTGのお客様のクルマなのだという。オーナーさんの職業は「木こり」さん。伐採した木材を運ぶためのウィンチが備わり、ピックアップトラックの平らな荷台には、やぐらを組んでチェーンソーなどの仕事で使う道具を積み込める。
オーナーさんのDIYで作られた部分もあるが、荷台部分のやぐらやシート、カスタマイズパーツ類は、GTGで架装・装着したものだという。アウトドアレジャー仕様のランクルはよく見るが、本格林業で活躍するランクルのカスタムはあまりお目にかかれない。
普段から使用されているオーナー車であることが、他のカスタマイズカーとは違う、独特のオーラを醸し出していたのだろう。
実際に群馬トヨタグループに入庫しているオーナー車を見られるというのは、ユーザー側に立った時に「こんな風に愛車を変えることができるのか」と、想像をしやすい部分が多くある。よりリアルに日常使いができるカスタマイズカーを見られるのは、ディーラーならではの展示だ。
■群馬トヨタのクラウンは群馬に根付く
トヨタディーラーらしく、新型クラウンのカスタマイズも行われていた。
GR Garage高崎ICで仕上げられたクラウンは、SUV色の強いクロスオーバーではなく、先代までのセダンの雰囲気が色濃く残るカスタマイズとなっていた。
スポイラーにはネクストイノベーションが製作したオリジナルモデルを用意。このスポイラーが付くだけで、フロントリアともに腰高感が小さくなり、クロスオーバー感が薄らいだ感じを受けた。
車高はノーマルより50mmダウン。ショーモデルということで、通常よりも少し多めに車高を下げているとのこと。乗り心地やサスの動きなどを考えると、おススメは30mmダウンらしい。豊富な知識の中で、純正とカスタムのいい塩梅を探しながらセッティングできるのも、ディーラーの強みと言える。
こちらのクラウンが目指すのは、クロスオーバー路線よりも、乗り心地の良い高級セダンのクラウン。タイヤ・ホイールは純正で21インチを装着するところをあえてインチダウンした。タイヤ幅を太くして、245/45R20を装着し、タイヤ自体の迫力を残しながらも肉厚なタイヤで乗り心地の良さも実現する。
群馬トヨタとしてこだわった部分の一つに、県内企業とのコラボがあるという。サスペンションに組み込まれているのはCUSCO(株式会社キャロッセ)のストリートゼロA(試作品)だ。同じ群馬県内でクルマに携わる企業であるキャロッセのパーツは、絶対に組み込みたかったと、担当者は熱い思いを語ってくれた。
群馬愛が注ぎ込まれたGTGのクラウンtype GR。新型クラウンオーナーにも、是非ともこのままの仕様で乗ってほしい仕上がりのようで、車高を下げても十分に満足できる乗り心地の良さは「カスタマイズしてがっかりだったということはないようにさせてもらいます」と、自信を見せる。
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