スズキのインド子会社マルチ・スズキ・インディア社が、2023年1月にインド・デリー近郊で開催された「Auto Expo 2023」において新型のジムニー5ドアを発表。これまで3ドアモデルしかなかった現行ジムニーに待望の5ドアモデルが加わることになった。
気になるのはこのジムニー5ドアが日本国内でも販売されるのかということだが、今回はこのあたりの事情を見ながら、ジムニー5ドアとはどんなクルマなのか? そしてジムニーの人気の秘密はどこにあるのかを、歴代ジムニーを振り返りつつ考えていきたい。
文/長谷川 敦、写真/スズキ
ついに登場した5ドアのジムニー
インドの自動車ショーで発表されたジムニー5ドア。車名こそジムニーになっているが、日本ではジムニーシエラにあたる車格のモデル。これは日本国内で軽自動車のジムニーと普通車のジムニーシエラを分けているため。
新型ジムニー5ドアは既存のジムニーシエラよりホイールベースが300mm延長され、後部ドアとシートのスペースを確保している。このため全長も延びているものの、前後オーバーハングはシエラと同じだ。もともとジムニーシエラは4人乗りだが、5ドア化によって後部座席への乗降がラクになる。
エンジンはシエラと同じ1.5リッター直列4気筒で、最高出力は102psを発生する。エンジン以外の基本的な装備も3ドアのシエラと同様だという。
ジムニー5ドアは、まずはインドをはじめとする海外で販売が行われ、現在のところ日本国内販売に関する正式なアナウンスはない。国内では普通車のジムニーシエラより軽自動車のジムニーのほうが圧倒的に人気が高く、シエラと同格の5ドアがどこまで売れるか不明だが、一定のニーズがあることは予想される。
気になる国内販売は2024年がウワサされている。納車待ち期間が長い状態が続いているジムニー&ジムニーシエラだが、5ドアの登場によってこの状況に変化が生じるのか興味は尽きない。
納期待ちはまだ続く? 現行型ジムニーの魅力とは?
現行型のジムニーはシリーズ4代目にあたり、2018年7月に販売が開始されている。ラインナップはジムニーとジムニーシエラの2タイプで、発売直後から人気が殺到し、この時点で納車まで1年以上かかるとの情報もあった。
その後は新型コロナ流行や半導体不足などの影響もあり、生産台数の少ないジムニーシエラに至っては3年待ち(!)などと言われることすらあったという。現在では若干状況が良くなっているのだが、それでもだいたい1年~1年半は待つ必要があるようだ。
モデル寿命の長いジムニーは、4代目へのモデルチェンジが実に20年ぶりのことで、ファンにとっては待望の新型登場だった。それが人気に拍車をかけたのは間違いなく、4代目もそれに応えるだけの完成度を持っていた。
4代目ジムニー/ジムニーシエラの特徴は原点に回帰したスクエアフォルムにある。1998年デビューの3代目モデルはやや丸みのあるデザインが採用されていたが、この4代目では初代~2代目をイメージさせる外観にまとめられ、さらにボディカラーのバリエーションも増やされた。
ジムニーは本来オフロード走行を目的とする本格4WDカーとして開発されているが、現行型ではいわゆる街乗りでの需要も大きい。これはやはりスタイルの良さと、オフロードカーゆえの耐久性の高さ、そして手ごろな価格設定などが影響していると思われる。
また、ジムニーの長期納車待ちがたびたびニュースになることも希少性に拍車をかけ、それがさらに人気を集めている可能性もある。いずれにせよ、ジムニーの購入者は長期間待つだけの価値があると考えているわけだ。
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