そもそもジムニーとはどんなクルマ?
ベストカーウェブの読者なら、ジムニーの名を知らないということはほとんどないだろう。とはいえ、あまりに世間に馴染んでいるジムニーだけに、どのようなクルマで、その歴史はどのくらい長いのかと聞かれるとわからないことも多い。そこで最後にジムニーシリーズの歴史を軽く振り返ってみよう。
●誕生は1970年
スズキ(当時は鈴木自動車工業)が1970年に発売したジムニーは、軽自動車としては初の本格的4WDオフロードモデルだった。車名のジムニーは4WDオフローダーのジープに由来し、ジープのミニ(タイニー)版という意味を持つ。
初代ジムニーは悪路走破性の高いラダーフレームに前後リーフリジット式サスペンションを組み合わせ、大径16インチタイヤを装備。エンジンは360ccの軽自動車でありながら4WDによる高い走行性能を発揮した。
土木や建設、そして林業など、現場で活躍できる小型の4WDカーはこの当時ほとんど存在せず、「プロの道具」としてのジムニー登場は大いに歓迎され、手軽にアウトドア走行を楽しめることから、やがて一般ユーザーからの支持も受けるようになった。
●1981年に2代目が登場
発売以来マイナーチェンジやバリエーション拡大を進めてきたジムニー最初のフルモデルチェンジは1981年に行われた。
2代目ジムニーでは、オフロードはもとより乗用車としての価値を高めることに重点をおいた改良が行われている。キャビンは軽自動車規格いっぱいまで広げられ、エンジンはトルク特性に優れた540cc直列3気筒LJ50型を搭載。街乗りを考慮してサスペンションはやや柔らかめに調整されている。
1982年には、2代目ジムニーのバリエーションモデルで1リッターエンジン搭載のジムニー1000も登場している。これは前年から海外で販売されていて人気の高かったモデルの国内販売版であり、これが後のジムニーシエラへとつながる。
●軽自動車規格改正とともに3代目がデビュー
1998年10月に国内では軽自動車規格の改正が実施された。エンジン排気量こそ660cc上限のままだったが、車体の全幅はそれまでの1.4mから1.48m、全長は3.3mから3.4mに拡大された。これに合わせてジムニーでも17年ぶりのフルモデルチェンジが行われている。
3代目のルックスは2代目までとは大きく変化し、全体的に“丸く”なった。車体サイズも新規格に合わせて拡大され、フレームやサスペンションも新規に設計されている。
軽自動車の新規格が10月施行だったため、普通車規格のジムニーはジムニーワイドという名称で1998年1月に登場。本家の軽自動車よりも先行して発売された。そして2002年には、それ以前にも使われていたシエラの名称が復刻され、以降は軽自動車のジムニー、普通車のジムニーシエラというラインナップが現在まで続いている。
もはや日本を代表するクルマの一台にも数えられるスズキ ジムニーとジムニーシエラ。5ドアモデルの追加は海外での需要を見込んだものだが、国内でもこの5ドアのニーズはあるはず。後はスズキからの正式発表を心待ちにしたい。
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