2023年1月、日産とルノーが出資比率を対等な立場に見直すなど、新たな提携に向けた合意案が発表された。提携関係が20年以上になる今になって、改めて出資比率の問題が見直されたのにはどんな理由があるのだろうか?
※本稿は2023年2月のものです
文/井元康一郎、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年3月10日号
■日産×ルノーが築く新たな時代
日産自動車は1月30日、ルノーの日産に対する出資比率が日産のルノーに対する出資比率と同じ15%に引き下げられる見通しという声明を発表した。これまでルノーは日産より小規模ながら日産株の43%を保有しており、支配力を振るってきた。小が大を組み敷く“資本の不平等”がようやく解消されることになる。
なぜルノーは日産の筆頭株主となったのか。それは1990年代後半の日産の経営危機が発端だった。クルマは売れず、巨額の借金の利息は雪だるま式に増え、倒産の危機に瀕していた日産は救済出資の相手を懸命に探していた。
有力視されていたのはドイツのダイムラークライスラー(現メルセデスベンツグループ)だったが交渉は実らず、そこに救いの手を差しのべたのがフランスのルノーだったのだ。
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