ガソリン1リッター当たり10km走ればそこそこの燃費と評価されていた世紀末。トヨタによる世界初の量産ハイブリッドカー「プリウス」の登場によりその常識は大きく覆された。“エコロジー”なエンジン+モーターの搭載による28km/L(10・15モード)という従前の2倍近い燃費性能はドライバーたちを驚かせるに十分だった。
するとその2年後、ホンダから今度は世界一の燃費性能を謳う「ホンダ・インサイト」が発売された。その燃費はプリウスを凌駕する35.0km/L(10・15モード)!
以降、量産ハイブリッドカーで先行した両社は熾烈な燃費バトルを繰り広げていくことになり、お互いを強烈に意識しながらライバルの燃費をいかに上回るかで徐々にエスカレート。ついにはたったコンマ1、ライバルの数値性能を上回るための“燃費スペシャル”グレードまで生み出すに至った。
ここではそんな仁義なき燃費バトルで両社が繰り出した、涙ぐましいまでの努力を振り返ってみたい。
文/藤井順一、写真/トヨタ、日産、ホンダ、ベストカー編集部
コメント
コメントの使い方ホンダや日産のHV車の燃費、レンタカーで乗った結果信用できないと思いました。今私はメルセデスのディーゼル(マイルドハイブリッド)に乗っていますが、高速ならリッター27キロ走るというと、みな国産HVより良いと言います。しかもパワフルですから。
現在進行中のEV大量投入期は、記事中のHV黎明期と全く同じ、カタログスペック至上主義となっています。
それは中国だけではなく、欧州や米豪でも同じ。自動車メディアが率先してスペック命をやっています。
HV競争を経験した日本の数社は、EVでも動的質感やバッテリー維持や回収など、本質的な部分を重視していますが、スペック主義の市場やメディアで追いやられてますね