お隣同士の公営交通……川崎と横浜の「市営バス」が市外も走っちゃっているってマジ!?

お隣同士の公営交通……川崎と横浜の「市営バス」が市外も走っちゃっているってマジ!?

 少数派にあたる公営バス事業者の中で、川崎市と横浜市は市営バスが隣り合う超希少な地域だ。背中合わせゆえ、川崎市バスと横浜市営バスが同じ停留所で出逢うような「接点」は普通にありそうな感じもするが、実際のところはどうなっているのだろう。

文・写真:中山修一

■両市を代表する公営事業者

川崎市営バスの大型路線車
川崎市営バスの大型路線車

 川崎市バスこと川崎市交通局と、横浜市営バスで知られる横浜市交通局は、いずれも広大なバスネットワークを展開する公営事業者だ。前者はバス専業と言えるが、後者では地下鉄も運行している。

 川崎市営の営業キロは約200km。330両くらいのバス車両を保有しており、1日あたりの平均乗客数は約10万人。一方の横浜市営はおよそ515kmの営業キロを持ち、約820両のバスを保有。1日あたり平均で31万人程度の利用者がある。

 「市営」を冠する限り、基本的には市内限定の公共交通機関であるものの、県境越えの路線バスよろしく、ナワバリをちょこっとハミ出て隣の市まで出張してくる路線が1〜2本あっても良さそうな雰囲気だ。

 市の境目周辺にあるバス停やバスターミナルなら、市営と市営が顔合わせをする、世にも珍しく摩訶不思議なシーンが見られそうなもの。果たして本当にそんな趣味的にオイシイ場所が存在するのか、さっそく路線図を開いてみた。

■さあ!! 出逢いの場はどこだ!?

 まずは川崎市バスから見ていこう。川崎市は東京都にも隣接しているが、東京都側に乗り入れるバス路線はない。

 本題の横浜市側はどうかと言えば、横浜市青葉区のたまプラーザ駅まで行く「た83」系統と、港北区の高田町に出入りする「原01」系統・「溝25」系統が運行している。

 たまプラーザ駅または高田町に横浜市営バスが発着していれば、晴れて市営同士のコラボが実現する。気になる結果は……たまプラ・高田町ともに基本的には東急バスのテリトリーで、横浜市営バスは出入りしていなかった。

 続いて横浜市営バスの路線図をチェックすると、市境よりも距離的にだいぶ手前が終点になっている系統がほとんどだ。

 横浜市内にやってくる川崎市バスが上記の3系統のみであるのを踏まえると、当初の予想とは裏腹に、川崎市バスと横浜市営バスとの接点は限りなくゼロの疑いが出てきた。

■両方のバスを一度に見るならココ!!

 このまま完全にゼロという結果が出てしまうのか、さらにリサーチを続けると、1カ所だけ両者が顔を出す場所が見つかった。それは川崎駅西口のバスターミナルだ。

 横浜市営バスにも川崎市内にちょっとだけ入る路線が2つあり、18系統と7系統がそれにあたる。18系統に川崎市営バスとの接点はなく、横浜駅と川崎駅西口を結ぶ7系統のみが、川崎市営バスと同じ場所を発着する唯一のバス、ということになる。

 では、川崎駅西口へ行きさえすれば、いくらでも市バス同士のコラボが拝めるのだろうか。現地へ赴いてみたところ、あることに気づいた。

両車やや離れているが一応コラボ実現
両車やや離れているが一応コラボ実現

 西口ターミナルは民営事業者の川崎鶴見臨港バスの発着がメインで、西口へ行く川崎市営は本数が少なく、ターミナル内にあまり入ってこないのだ。

 横浜市営バス7系統も30分に1本のため、川崎市営の車両がやって来る丁度良いタイミングでバッティングする確率はそれほど高くない。市営同士のコラボというのは、例え隣合わせであっても極めて稀有な光景だったわけだ。

【画像ギャラリー】川崎市バスと横浜市営バス(5枚)画像ギャラリー

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