路線バスに山ほど付いている「取っ手」や「グリップ」の存在意義が深すぎた!!

■取っ手というより金具?

 上記の取っ手類だけでなく、銀色のやや小さい取っ手状の部品を、車両の前面に何個か取り付けているパターンもある。さすがに手で掴むにはちょっと小さすぎるように思える。

 路線バスが、フロントガラス下部分に交通安全の啓蒙やスローガンなどを記した、「バスマスク」とも呼ばれる、布製の告知幕を掲げて走っている光景を時々目にする。

 走行中に幕が飛んでいかないよう、幕を紐で車体に結んでおく方法が一般的だ。そういった告知幕の紐を通す、あるいはゴムバンドなどにつなげたS字フックを引っ掛けておくための金具として、銀色の小さめな取っ手状の部品がよく使われる。

四隅の金具にS字フックを引っ掛け、ゴムバンドで告知幕を吊り広げている
四隅の金具にS字フックを引っ掛け、ゴムバンドで告知幕を吊り広げている

■“役立たず”であるのがベスト

 再び車内に注目すると、車種によっては右側最後部座席ひとつ前の二人掛けシートと窓の間に一つ、縦方向に取っ手がひっそり取り付けられている。

 そのままでは掴めない位置にあり、何故そんな役に立たない場所に取っ手を付けているのか……カラクリは簡単、右最後部の一つ前が非常口なのだ。

非常口のシークレットな取っ手
非常口のシークレットな取っ手

 万が一非常口を使うことになってしまった時に、扉を開くためのハンドル代わり、あるいは非常口から外に出る際に掴むための取っ手というわけだ。数あるバスの取っ手の中で、最も役に立ってはいけない存在と言える。

 路線バスの取っ手を少し掘り下げてみれば、闇雲に付いているのではなく、ちゃんと何らかの役割を持っているとわかった。

【画像ギャラリー】取っ手はバスのどこに付いている?(9枚)画像ギャラリー

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