豊田章男氏の社長報酬9.9億円は安すぎない? 実際のところを徹底分析してみた!

海外と比べると安い水準

モリゾウとしても活動を続ける豊田章男氏
モリゾウとしても活動を続ける豊田章男氏

 では「報酬案策定会議」ではどのような議論がなされているのでしょうか。

 議論された主な内容は、1/役職・職責ごとの報酬水準、2/2022年度の指標実績評価、3/個人別報酬の決定です。

 その際に活用されたのが「業績連動報酬」です。「連結営業利益」「時価総額の変動率」「個人別査定」の3つがポイントになります。評価のウエートは連結営業利益が70%。時価総額の変動率が30%です。こうした基準で算定した年間報酬に「個人別査定」による調整を行います。

 連結営業利益はトヨタが持続的に成長するために必要だと定めた基準となる利益(2011年設定)、1兆円をどの程度達成しているのか、をチェックします。22年度の連結営業利益は2兆7250億円ですから大きく上回っていることがわかります。

 また時価総額の変動率はトヨタの時価総額とTOPIXの前事業年度(1~3月平均)を基準にその年の事業年度(1~3月平均)の時価総額変動率を相対評価します。2022年度の評価結果は180%です。

 そして「個人査定」では創業理念である「トヨタ網領」に沿った取り組みや周囲からの信頼、人材育成の推進などの観点で実施されています。年間総報酬のプラスマイナス50%の範囲で役職・職責に応じて変動幅を設定しています。

 さらに各人の役割の大きさなどに応じて、日本企業を加えて、グローバル企業などの役員報酬水準も参考にして報酬が決定されているということになるのです。

  米調査会社エクイラーが5月3日に発表したCEOの報酬に関する調査(3月末時点で公表されている売上高10億ドル以上のCEOの上位100位までの調査)によれば、2022年の米大手企業のCEOの報酬の中央値は、前年比7.7%増の2230万ドル(約32億円)となり、過去最高を記録したそうです。

 トヨタは世界最大の自動車メーカーですが、豊田会長の報酬はこうした米国の大手企業の報酬に遠くおよびません。

 デフレ経済のなかで社員の給与の引き上げが大きな課題になっているわけですが、社長の報酬もまた、世界水準に近づける努力が必要なのではないでしょうか。

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