2016年のオープン以来、東京の一大バスターミナルの座をキープし続ける「バスタ新宿」。この停留所から発着するバスのうち、特に距離が長い/短い路線はどれだろうか。
文・写真:中山修一
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■1日何本のバスが出ている?
バスタ新宿は、JR各線と小田急線など新宿駅の南口を出て、道路を挟んだ向かいに位置している。ビルの中に組み込まれ、乗り場を4階、降車場所を3階に置いた、立体的な構造が特徴だ。
バスタ新宿に出入りするバスのほとんどが高速路線バスだ。朝5時から深夜1時までの営業時間のうち、日によって増減はあるものの、590本を超えるバスが各方面に向けて出発していく。
朝最も早く出発するのが5:20発の羽田空港行き連絡バス、タイムスケジュール上の最も遅い便は名古屋方面への夜行都市間バスで、24:45発となっている。
■最長路線と聞けばやっぱりアレ
膨大な数のバスが発着するということで、それぞれのバスの行先は様々だ。競合路線や便数が最も多いのは大阪方面になるが、片道の走行距離が特に長い路線はどれだろうか。
こちらは言わずと知れた、九州方面へ向かう例の“深夜”バスが含まれると察しがつく。実際、西鉄バスが運行する、博多バスターミナル行きの「はかた号」と、天領バスのHEARTSバスステーション博多行き「TenryoLINER」の2路線が最長クラスとなっている。
いずれの路線も走行距離は大体1,100kmくらい。ただし「はかた号」がバスタ新宿始発なのに対して、「TenryoLINER」は東京八重洲口が出発点になっているため、総距離では後者のほうが若干長い。
■ありそうでない短い高速バス
長い路線があるなら、全く正反対である短い路線の走行距離が最低何キロかも気になってくる。バスタ新宿の膨大な発着時刻表をもとにチェックしてみた。
まず、神奈川中央交通のバスタ新宿→町田バスセンター行き深夜急行バスが候補に挙がった。ところが近年は運休中でノーカウントに。同じ東京都内を結ぶため短そうに見えて実は40kmくらい離れており、距離も意外と稼ぐ。
現在運行しているもので、バスタ新宿が始発になっている路線を対象に洗い出していくと、JRバス関東が運行する、バスタ新宿〜東京ディズニーランド行きの高速バスが最短クラスで、約28kmだ。
次に短いのが羽田空港行きリムジンバスで30km程度。その次が小湊鉄道/小田急ハイウェイバスによる木更津行きの約53km。さすがに高速路線バスの性質上、5kmや10kmのような、一般路線バスで賄える範囲で完結するものはなかった。