ルーツは四川にあり?
韓国本国では、2020年から積載量1トン級の小型トラック「ポーター2」と傘下のキア「ボンゴIII」にEVモデル(高電圧バッテリーはSK製といわれている)を展開しているヒョンデだが、マイティにはEVを設定していない。
ただ、中国現地法人の現代商用車(旧・四川現代汽車)が2019年に発売した現地向け小型トラック「泓図」には、EVモデルもあり、そのモーターとLFP電池のスペック、71分という急速充電時間は、マイティEVとよく近似している。
マイティEVは、LDWSやAEBSといったADAS(先進ドライバー支援システム)を搭載するなど、安全装備では泓図EVよりも進んでいる。そのため、明らかに同一のクルマではないものの、マイティに泓図EVの電動パワートレインを組み合わせたクルマという可能性はありそうだ。
車型バリエーションは、前述のとおり1車型のみという点から、かつての初代eキャンターと同様、リアル市場での実証運行という性格も感じられる。付け加えるなら、泓図EVもホイールベースは3.3m車だけである。
この点では、キャブ幅・ホイールベース・車両総重量のバリエーションを展開している、三菱ふそうやいすゞ、イヴェコ(キャブ幅は1種だけだが)の最新小型EVトラックが、さまざまなニーズへの対応を考慮に入れたプラットフォームをいち早く構築したことも、改めて見えてくるのである。