6月21日の発売開始から1か月が経過し、試乗レビューなども出始め、ユーザーが知りたい情報が豊富になってきた新型アルファードと新型ヴェルファイア。ただ、どちらも魅力的であるだけに、優劣はつけづらく、どちらを購入するべきか悩んでいる人も多いのではないだろうか。そこで、アルファード/ヴェルファイアのアイデンティティともいえる「迫力」と、購入するすべての人が気になる「コスパ」の2点に絞って、両車を比較してみようと思う。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA
素の状態では、ヴェルのほうがいろんな意味で迫力がある
新型アルファードと新型ヴェルファイアに関しては、SNSなどをみていると、好みは真っ二つに分かれているようだが、新型アルファードに関しては、あと一歩「エアロらしさ」が欲しいという声も多い。先代では、スタイリッシュなエアロボディが人気だったが、新型は先代の標準ボディの延長線にあるため、大人しめなデザインとなっていることにややがっかりしている人が多いようだ。
新型ヴェルファイアに関しては、標準でエアロ仕様のようなデザインとしたことに加えて、ダーククロムの横スリッドグリルが丁度よくカッコいい、という声が多い。また先代では(アルファードとの差異が)単にスキン違いでしかなかったのが、新型では走行性能の味付けも変えられていることも好印象のようだ。アルファードにはない最高出力279psというハイパフォーマンスの2.4Lガソリンターボやフロントパフォーマンスブレースなど、ドライバーズカーとしても心くすぐられるポイントもある。以上の点から、素の状態では、新型ヴェルファイアのほうが、いろんな意味で迫力があるといえる。
エアロキット装着の状態だと両車互角か
ただ、純正エアロパーツでドレスアップすると、また違ってくる。アルファード/ヴェルファイアで人気のエアロキットのひとつである、モデリスタを装着した仕様同士を比較してみると、新型アルファードは、バンパーサイドの立てスリッドに装着されるイルミブレードや、低さが際立つフロントスポイラーなど、フロント周りのギラ付きが増し、「これぞアルファードの本命」といえるほどカッコよくなる。フロントグリル上部についたフロントメッキグリルは、先代のヴェルファイアとほぼ同じように感じるが(ギラつきが強すぎ)、エンブレム周辺に注目が集まるように感じられる。
一方の新型ヴェルファイア(のモデリスタ仕様)は、ボディの前後左右にアンダースポイラーを装着し、新型ヴェルファイアの「素のよさ」を活かしながらつくりこまれている印象。フロントグリルはほぼそのままの意匠となっており、アルファードほど激変していない。青い牙のように光るシグネチャーイルミブレードはやや子供っぽさもあるが、気に入らなければつけなければいい。ということで、エアロキットを装着すると、どちらが迫力あると感じるかは好みの問題であり、両車互角と判断したい。
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