お手軽だからと甘く見るな! JAFの実施した電動キックボードの衝突試験が衝撃的!

■歩行者にぶつかるとキックボードよりも歩行者が被害を受ける

歩行者との衝突ではヘルメットをかぶっていない歩行者のダメージが大きかった
歩行者との衝突ではヘルメットをかぶっていない歩行者のダメージが大きかった

 お次は歩行者&自転車との衝突試験。電動キックボードのダミーはヘルメットを装着し、時速6kmと時速20kmに分けてテストを行った。

 まずは正面を向いた歩行者との衝突。ここでは歩行者とキックボードの1次衝突の後に、転倒という2次衝突が起こるわけだが、電動キックボードの乗員以上に、2次衝突で転倒する歩行者のダメージが大きいことが分かった。

 時速6kmで衝突した際の歩行者のHICは4351.8。これが時速20kmになると6957.8まで跳ね上がる。電動キックボードは乗っていない人にとっても被害を与えることが明らかなわけで、特に回避行動が緩慢になりやすい高齢の歩行者などには、十分な注意が必要となるだろう。

 いっぽう自転車側面との衝突。こちらでは自転車側もヘルメットを装着したため、比較的双方のHICの値は小さかった。

 とはいえこちらも自転車側の数値が大きく、電動キックボードの加害性の高さをうかがわせる結果となった。時速6kmの電動キックボードは自転車に押し返されたが、時速20kmでは自転車を押し倒して共に転倒する。時速20kmの運動エネルギーは相当なものだ。

■自動車との衝突は衝突後の転倒にも注意

自動車との衝突では、車両とぶつかったあと、地面に頭をぶつけるダメージのほうが大きかった
自動車との衝突では、車両とぶつかったあと、地面に頭をぶつけるダメージのほうが大きかった

 最後に止まっている自動車に衝突したケース。ここでも電動キックボードと自動車が衝突する1次衝突よりも、衝突後に地面に頭部をぶつけるダメージのほうが大きかった。

 とはいえヘルメットをしていればHICは147.9に留まり、損傷は軽微となる可能性が高い。問題はヘルメットをしていない場合で、転倒して地面に頭をぶつけた際のHICが6346.3という値になった。こちらも命が危ぶまれる数値だ。

 この実験ではヘルメット装着時と非装着時でクルマへの衝突方向が異なるため、一概な比較はできないが、ヘルメット非装着の危険性が圧倒的に高まることは間違いない事実のようだ。

 というわけで、今回のテストでは、時速20kmといえどもヘルメットの装着が大きな意味を持つことが明らかになった。また電動キックボードには加害性があり、歩行者と衝突した場合には転倒によって深刻な事故が起こり得ることが分かった点も収穫だろう。 正しく使えば利便性が高い電動キックボード。利用する際にはその特性や危険性も頭に入れて、安全に乗りこなそう。

【画像ギャラリー】甘く考えずにヘルメットをかぶろう! すべての実験のHICの値はこちらに!(8枚)画像ギャラリー

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