日産は「日本人の心と文化」をクルマに込めて…きた……?「和モダン」を謳った日産車3選

BEVならではのメリットを活かして和モダンを表現した「アリア」

 2020年7月にワールドプレミアされた、100%電気自動車のクロスオーバーSUVである「アリア」。モーター走行ならではの力強い加速や滑らかな走り、静粛性はもちろんのこと、BEVならではの設計の自由度を生かした新鮮なデザインも魅力のモデルだ。

 デザインのテーマは「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」。日本の伝統的なデザインを取り入れつつ、アリアの先進的なイメージを表現するというもので、具体的には、グリルにあたる部分に日本の伝統的な組子パターンを立体的いれることで、先進性と日本の伝統的な美しさを表現。そこに光る日産のロゴが新デザインとなっているところも、(いまは多少見慣れてしまったが)デビュー当時はかなり先進性をイメージさせていた。

 エンジンがないため非常に短いオーバーハングが採用されており、SUVならではの安定感や室内空間の実用性を確保しつつ、低く滑らかなルーフラインによって、スポーティでダイナミックな印象も与えている。「間」を大切にする日本の伝統的な美意識と、未来に向かって進む先進性を融合させたデザインだ。

BEVのアリアにはグリルの代わりに「シールド」とよばれるパネルがはめ込まれる。そこに日本の伝統的なデザインを取り入れることで和モダンを表現している
BEVのアリアにはグリルの代わりに「シールド」とよばれるパネルがはめ込まれる。そこに日本の伝統的なデザインを取り入れることで和モダンを表現している

番外編:レクサスLS

 日産車ではないが、日本の美意識を強調したモデルとして、レクサスの「 LS」も取り上げたい。デザインは「Time in Design」という考え方を反映しており、これは時の移ろいや環境の変化の中で、その時々の美しさを感じられる日本ならではの美意識を表した考え方だ。レクサスLS では「月の道」という情景をモチーフにしているという。

 月の道とは、月明かりが海面上で細長い道のように見え、照らされた波の揺らぎによる繊細なグラデーションが見える美しい景色のこと。満月の前後数日間にだけ見ることができるという神秘的な自然現象だ。

 レクサスLSでは、美しい輝きと深い陰影感を特長とするボディカラー「銀影(ぎんえい)」を採用したり、西陣織の銀糸やプラチナ箔を使ったオーナメントを用意するなどにより、月の道を表現しているとのこと。高級モデルだからこそ表現できる、贅沢な和モダンだ。

レクサスLSのインテリア。西陣織の銀糸やプラチナ箔を使用して日本ならではの美しい景色を表現している
レクサスLSのインテリア。西陣織の銀糸やプラチナ箔を使用して日本ならではの美しい景色を表現している

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 日本の美意識が表現されたデザインがグローバルモデルに採用されることは、世界に日本の美意識が発信されることにつながる。単なる個性としてではなく、日本の文化や心までもクルマを通して伝えられるなら、そこには大きな価値がある。今後もさらなる日本の美意識を追求したモデルが登場することを期待したい!!

【画像ギャラリー】どれも雅なモデルばかり!! 「和モダン」なクルマたち(19枚)画像ギャラリー

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