なぜ速度メーター上限が180km/hなのか…の理由がまさかの「なんとなく」ってマジか?

デジタルメーターによって、表示上限はどうでもよくなった

 ただ昨今は、180km/h以上を表示させている国産車が増えてきている。国産スポーツカーの代表例でもある日産GT-R(R35)は、2007年デビュー当初から340km/hだ。燃料カットによる速度リミッターは他の国産車と同じく180km/hにセットされているが、速度リミッターは国内の主要サーキットのパドックに入ったときのみに解除が可能(GPSの位置情報をもとに解除が許される、国土交通省の認可も得ているシステム)であり、GT-Rといえども公道では180km/h以上出すことはできない。

 またレクサスは、ISからLS、UXからLXまで、全車が200km/hを超える上限表示となっているほか、トヨタGRヤリスは280km/h、マツダロードスターは200km/h、スズキスイフトは220km/h、スイフトスポーツは260km/hなど、国産モデルでも180km/h以上を表示させるクルマが増えてきた。

 また、昨今はデジタルメーターにして、針のメーターを廃止するクルマが増えている。スポーツカーであっても、GRスープラ、GR86、GRカローラなどでは針のメーターを廃止し、かわりにレーシングカーのようにタコメーターを大きく中央へ表示し、シフトチェンジのタイミングを分かり易くしている。

 デジタルとなると、「速度の表示上限」という概念自体がなくなる。もちろんクルマの性能としては、どちらも国産車であれば180km/h以上を出すことができないことには変わりはないのだが、フルスケール300km/h超のメーターを積んだスポーツカーに心躍らされるクルマ好きとしては、なんとも寂しい状況。ただ、使いもしない領域の速度の表示など、大半のクルマユーザーにとってはどうでもいいことであり、視認性や無駄を排除して突き詰めれば、針の速度メーターの廃止は当然のことなのかもしれない。

フェアレディZのアドバンスドドライブアシストディスプレイ。写真はスポーツモード表示の場合で、タコメーターのレッドゾーンが直上に来るようにデザインされている
フェアレディZのアドバンスドドライブアシストディスプレイ。写真はスポーツモード表示の場合で、タコメーターのレッドゾーンが直上に来るようにデザインされている

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 もはや表示上限の大きさにこだわる時代ではないようだ。ただ、デジタルディスプレイであっても、たとえばフェアレディZ(RZ34)のように、ノーマル表示モードにすると、針のメーター表示が現れる(スポーツ表示モードだとタコメーターが中心となり、速度は3桁のデジタルとなる)ような、クラシカルな針のメーター表示も残していただけるといいな、と思う。

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