高速道路を走っていると雨でもないのに、「ピシャッ」と前方から液体が飛んできた、という経験はないだろうか? そう、これは俗にいう「ウォッシャー攻撃」。はたしてこれは違反になるのだろうか?
文/ベストカーWeb編集部、写真/Adobe Stock(タイトル画像/Adobe Stock titushkin)
■高速道路を走行中、雨でもないのに前のクルマから水が飛んできた
高速道路は走っていると、前を走っているクルマから、水らしき液体が降ってきてフロントウィンドウやボディにかかったことがある人はいるだろうか?
これは、故意(わざと)に行ったのか、それともたまたま、窓ガラスが汚れているのに気づいてウィンドウォッシャー液を出してワイパーを作動させたのか?
故意の場合、こちらが急な割り込みや追い越し車線に居座って走行するなど、相手側が嫌がらせと感じ、その報復のために、ウォッシャー攻撃をしたということも考えられる。
そういえば、数十年前、ベストモーターリングでサーキットバトル中、O井氏が相手にウォッシャー攻撃をしていたことがあった。悔しい思いはわかるけど、そこまでやるかと、思ったものだが……。
担当も、ロードスターでサーキット走行中、抜きつ抜かれつのバトルをしていたが、抜いた前のクルマからウォッシャー攻撃を食らったことがある。よほど抜かせたくなかったのか、ほんとに大人げない行為だ。
■ウォッシャー攻撃は交通違反?
ではこのウォッシャー攻撃は、違反になるのか? また訴えた場合、罪に問うことができるのだろうか?
知り合いの弁護士に聞いたところ、「虫が付いたり、埃で窓が汚れていたからウォッシャー液を出してワイパーで拭いただけでわざとではないと本人に否定されてしまえばどうしようもないですね。
ドライブレコーダーに映っていたとしても訴えて罪に問うのは難しいですね。しかし、明らかにペットボトルの水を投げたりした場合は事情が異なってきます。ただ、ウォッシャー攻撃が2度、3度とあまりに度が過ぎた場合は、道路交通法第70条安全運転義務違反が適用される可能性はあります」とのこと。
こうした度が過ぎた行為は、ほかにも何らかの違反行為を同時に行っていることが多い。そう、あおり運転だ。
前走車との車間距離を必要以上に詰める、前走車に必要時以外にクラクションを鳴らしたりパッシングをする、割り込み後に故意な急ブレーキなど、あおり運転と関連して罪に問うことができる可能性は高い。
かけられた側の対応としては、ウォッシャー液をかけられたからといってカッとなってやり返すことは言語道断。クルマの装備の1つとして、ウォッシャー液はただの洗剤と水だからすぐ落ちる、とやり過ごし、冷静になるのが大人の対応だろう。
ではあおり運転や故意によるウォッシャー攻撃にあわないようにはどうすべきか?
その前に、あおり運転の罰則はどうなのか、説明しておきたい。あおり運転は、他の車両の通行を妨害し、重大な交通事故にもつながる極めて悪質で危険な行為ということで、2020年6月30日にあおり運転を取り締まる「妨害運転罪」が創設された。
これにより、違反1回で免許取消処分となり、最長5年の懲役刑や罰金など厳しい罰則が科されることになった。
もちろんあおり運転は絶対に許されない危険行為だが、あおり運転にあわないための予防も大事。
追い越し車線にずっと居座り遅い速度で走行、急な割り込みや車線変更、後続車に故意的な急ブレーキ、ハイビームで走り続ける、視界良好なのにリアフォグランプを点灯している、といった運転行為は、あおり運転の被害者になりうるので、注意が必要だ。
特に土日しか乗らない方、レンタカー、ペーパードライバーの方はいまいちど肝に銘じてもらいたい。
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