カペラ、ユーノス コスモ&プレッソ、AZ-1、ボンゴフレンディ……マツダ挑戦の歴史を彩る、ちょっとざんねんなクルマたち5選

■「1.8LなのにV6」という超発想 マツダ ユーノス プレッソ&AZ-3(1991~1998年)

マツダ ユーノス プレッソ&AZ-3(1991~1998年)。プレッソとAZ-3の外観上の違いはエンブレムが違う程度。V6エンジンを搭載していたのは当初プレッソのみでしたが、後にAZ-3にも同エンジン搭載車が登場しました
マツダ ユーノス プレッソ&AZ-3(1991~1998年)。プレッソとAZ-3の外観上の違いはエンブレムが違う程度。V6エンジンを搭載していたのは当初プレッソのみでしたが、後にAZ-3にも同エンジン搭載車が登場しました

●パワフル過ぎたスペシャルティカー

 ユーノス プレッソは、多チャンネル戦略を展開していた時代のマツダが1991年に発売した3ドアハッチバッククーペで、AZ-3はオートザム店で販売された兄弟車です。

 当時の量産エンジンとしては世界最小であった「1.8L V型6気筒」という凝った設計のエンジンを搭載したのですが、日本市場ではその良さがいまひとつ伝わりませんでした。

 そして普通のエンジンより部品点数が多いため、故障発生の確率が上がり、いよいよ人気薄になったのです。

・発売年月:1991年6月
・エンジン種類:V6 DOHC
・総排気量:1844cc
・最高出力/最大トルク:140ps/16.0kgm
・全長/全幅/全高:4215×1695×1310mm
・車両重量:1130kg
・諸元記載グレード:Hi-X

●ざんねん度:★★★★★

■ユニークさは満点だが不満点もそれなりに…… マツダ オートザムAZ-1(1992~1995年)

●スーパーカーというよりは……

 AZ-1は1992年に発売された「軽自動車のスーパーカー」というか、スーパーカー消しゴムみたいな(お好きな方、ごめんなさい!)軽自動車です。

 スーパーカーと同じようにエンジンを車体中央に搭載し、俊敏なハンドリングを獲得したのですが、車内はとにかく狭く、シートはリクライニング不可能なバケットシートでした(助手席は前後のスライドもできない)。

 跳ね上げ式のガルウイングドアも、格好はいいんですが、そのダンパーはわりとすぐにヘタってしまい、ユーザーは途方に暮れたものです。

 でも4392台も生産され、今なおマニアには大人気です。ちなみにスカートの女性が乗り込むのはかなり難しいです。

・発売年月:1992年10月
・エンジン種類:直3 DOHC+ターボ
・総排気量:657cc
・最高出力/最大トルク:64ps/8.7kgm
・全長/全幅/全高:3295×1395×1150mm
・車両重量:720kg
・諸元記載グレード:AZ-1

●ざんねん度:★★★★★

■ミニバンの時代に抗い続けた努力のクルマ マツダ ボンゴ フレンディ(1995~2005年)

マツダ ボンゴ フレンディ(1995~2005年)。エンジン位置の都合から床面がやや高く、室内空間はイメージよりも狭い印象でした。しかし、キャンピングカー的な用途で使える点やオートフリートップのインパクトから、アウトドア派のユーザーには根強い人気のあった一台です
マツダ ボンゴ フレンディ(1995~2005年)。エンジン位置の都合から床面がやや高く、室内空間はイメージよりも狭い印象でした。しかし、キャンピングカー的な用途で使える点やオートフリートップのインパクトから、アウトドア派のユーザーには根強い人気のあった一台です

●商用バンベースながら創意工夫で善戦も……さすがに限界はあった

 マツダのボンゴ フレンディは、1995年から2005年にかけて販売されたワンボックス車。ルーフ部分が電動で持ち上がる「オートフリートップ」という装備をご記憶の人も多いでしょう。

 頑張って作られたボンゴ フレンディでしたが、当時の日本はすでに「ミニバン」の時代。

 商用バンをベースとするボンゴフレンディはエンジンが運転席の下にあるという設計上、車内をウォークスルーにすることもできず、商用バンベースゆえに高速走行時の横風にもかなり弱いという、弱点を抱えざるを得ませんでした。

 でも年々改良されましたし、多くの人に愛されたクルマではありました。

・発売年月:1995年6月
・エンジン種類:直4 SOHC/ディーゼルターボ
・総排気量:2499cc
・最高出力/最大トルク:125ps/30.0kgm
・全長/全幅/全高:4585×1690×2090mm
・車両重量:1730kg
・諸元記載グレード:RS-V オートフリートップ

●ざんねん度:★★★☆☆

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