「高級車」と言われて思い浮かべるクルマ……多くの人はメルセデス・ベンツを想像するのではないだろうか。しかし、改めて世の中と自分自身に問いたい。ベンツの良さって、いったいなんなんだ!? ベンツの「よいところ」を言葉にしてみたい。
※本稿は2024年1月のものです
文/伊達軍曹、写真/MERCEDES BENZ
初出:『ベストカー』2024年2月10日号
■ベンツとは「普通に使うためのクルマ」の頂点
ベンツという、それなりに値が張るモノの購入を1年の目標とするからには、「なぜ、頑張ってそれを買わねばならないのか?」という根拠のようなものが明確になっていないと、人はモチベーションが持続しないものだ。
ベンツの美点についての細かいことは下に記したが、要するにベンツとは「実用乗用車の王様」なのだ。
王侯貴族のためのクルマであれば、ロールス・ロイスのほうが適任だろう。もしくは、とにかく速く走りたいならパガーニなどのハイパーカーがいい。
しかしベンツは、世界中に多数存在する「普通に使うためのクルマ」のキングなのである。だからこそ“我々”の目標たりえるのだ。
■なんだかんだで走りがイイ!
近年はややBMWにも似た「スポーティな感じ」の味付けも感じられるし、またAクラスやGLAなどのコンパクトなベンツの走りに対して冷笑を浴びせる者の姿も散見される。
だがそれはそれとして、ベンツの走りはやはりいまだ一級品であり、真に素晴らしい感触に満ちている。
やや重めのステアリングから感じられる戦車のような(?)剛性感と精密感。ナチュラルなロールを許容しながら、その気になればどこまでも踏んでいけるコーナリング性能。そして安心感たっぷりのブレーキフィール。
これらはすべて、上級クラスだけでなく普及クラスのベンツにおいても共通して味わえる美点なのだ。
■その昔からずっと内装がイイ!
慣れない合理化を進めようとした1990年代半ば頃のあの時期を除けば、ベンツの内装はいつだって上質で精緻だ。“センス”に関してはイタリア車に軍配が上がるかもしれないが、上質さと精緻さに関してはベンツの圧勝である。
「昔のモデルと比べて最近のベンツの内装は“隙間”が増えた。昔のベンツはシートの下に物を落としたら拾えないくらいだったのに」と言う者もいるが、当時と今とでは内装設計のアプローチが違うだけの話である。
当時と同等またはそれ以上の精緻さを、現代においては別のやり方で実現させているだけなのである。
コメント
コメントの使い方