BEVなのに「爆音」ってどういうことよ!?　まさかの酷評も……アバルト500eを編集部員が厳しくチェック!!

■フルカワはこう見た!!

　エンジンサウンドを楽しめるBEVで話題のアバルト500e。そのサウンドジェネレーターはすごくリアルってわけではないけれど、BEVなのに排気音を響かせて走る感覚は確かに面白い。

　ただ、音のオンオフが設定メニューの中にあるのは不便か。自宅近くでは迷惑になりそうだと、普段は音なしで設定すると、結局消しっぱなしになってしまいそう。

　走りのほうも、BEVになってもアバルトのDNAを継承していることを実感。コンパクトでEVとしては1360kgに抑えられた車重もあってキビキビと走りながら、同時にしっかりとした安定感を両立。155psのパワーは刺激的というほどではないけど、力強い加速を実現していて街中を走るだけでも楽しめる。

　300km程度という航続距離は短いけれど、車重とのバランスを考えると電池容量が小さいのは仕方がないか？　

　ただ、せっかくBEVに生まれ変わったのだから2代目の「チンクェチェント」のような後輪駆動にしてくれたら、最高に楽しいコンパクトスポーツのBEVになっただろうな……とは思いました。

・パワー感：★★★
・ハンドリング：★★★
・内装の質感：★★★
・（お金があったら）買いたい度：★★

■ハヤシはこう見た!!

　乗ってみると、第一印象は販売台数を気にするメーカーにはできない、野心的で実験的なBEVだと感じるアバルト500e。

　最大のトピックであるサウンドジェネレーターは、最初にスイッチを入れた瞬間の音量にたまげます（笑）。トンネルの中でアクセルを踏み込むと、ものすごく楽しい！

　だからこそ、加速時も常に聞こえる“ボロボロ”という一定の音を消すことと、疑似的でもブリッピングするような減速方向の音作りも頑張ってほしいのと、スイッチひとつでON/OFFができるともっといい。

　走りに関しては、BEVらしい低重心と、ショートホイールベースからくるキビキビ感があり、一般道でもなかなか楽しい。ただ、路面状況によってピョンピョン上下方向に跳ねるような動きが出るので、そこは改善を期待したい。

　また、ドライブモードの「スコーピオン ストリート」と「ツーリスモ」はワンペダルドライブ時の回生が驚くほど強く、街中や駐車時にギクシャクするのでもう少し熟成してもらいたい。価格は趣味のクルマと考えれば妥当か……。

・パワー感：★★★
・ハンドリング：★★★★
・内装の質感：★★★
・（お金があったら）買いたい度：★★★

■アカザワはこう見た!!

　アバルト500e、乗るとまあコンパクトBEVらしいキビキビした走り……だけで、なんとも印象に残るようで残らない、「まあコンパクトBEVならこんな感じかな」というフィーリングでした。ですが、他のBEVになくて、アバルト500eにしかない魅力が確かにありました。

　それはもう、なんといっても「エンジン音」。6000時間かけて開発したレコルドモンツァのサウンドをスピーカーで流し、ドライバーはその音を楽しみながら走れるという、なんとも遊び心ある装備です。

　しかもこれ、かなりの爆音なので、好きな人にはたまらない機能ではないかと思います（ON/OFF切り替えはできますよ）。

　一方で、走り出すとひたすら「ボオォォーーーー」という、CVTでフル加速しているような音しか出ないのが残念。演出でいいから変速してるような音色だったらもっとワクワクできたでしょうなぁ。

　BEVスポーツカーが純ガソリンのスポーツカーのような野性味溢れる魅力に迫れるかどうか。その進化の過程を見ているような一台でした。まだまだだけど面白い挑戦ですね。

・パワー感：★★
・ハンドリング：★★★
・内装の質感：★★★
・（お金があったら）買いたい度：★

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