■Web編集長シオカワはこう見た!!
アバルト500e。ついにアバルトもBEVの時代なのか~となんだかワクワクしていた。なんたって疑似エキゾーストノートまで発するというんだもん。まさにアバルトらしいヤンチャな楽しさにとてつもない期待をしていた。
もしかしたらそれが裏目に出たかもしれない。なんだこのサウンドは……。全内燃機関に謝ってほしい。大学の先輩が4ATのセダンに直管マフラー付けて「このサウンドやべぇーだろ!?」と自慢していてドン引きしたのを思い出した。
ある程度アクセルを踏み込んでも最終的には排気音は頭打ちになるし、正直イマイチだと思う。なんだこれは……。
走りも交差点ひとつすら楽しいこれまでのアバルトとは違う。ちょっとピョンピョンした、街中でゴーカートに乗ったような背徳感がない。BEVだからお利口さんになっちゃってさぁ。あの妙なヤンチャ感がアバルトだったんじゃないの?
BEVとしても個別に細かな回生ブレーキの効きの調整はできないしまだまだ走りへの情熱が甘い。冒険作だとしてもサソリの毒はこんなもんじゃないでしょ!!
・パワー感:★★
・ハンドリング:★
・内装の質感:★★
・(お金があったら)買いたい度:星なし
■イイボシはこう見た!!
このクルマは市販車だけど、市販車として論じるものじゃない。すべて仮の姿なのだ。「もしもBEVでスポーツカーを作ったら?」をアバルトが実車で試しているということで、市場の評価を知るために「とりあえず売ってもみた」というクルマなのだと思う。
実質航続距離200km台で、価格は600万円オーバー。たくさん売れるわけなどなく、いわばアバルトと富裕層との神々の戯れ。だから試乗は「プロトタイプに乗る」という姿勢とした。現時点でコスパフォーマンスや実用性を真面目に論じるのは意味がないだろう。
で、どうだったかと言うと、かなり楽しいスポーツカーだった。スピーカーから流れる排気音はサーキットや峠道専用でいいと思ったが(街中ではちょっと恥ずかしい)、パワフルだしハンドリングもスポーティ(限界域でどうなるかは不明)。
「絶対にこれじゃないとダメ!」という領域まではいっていないが、BEVスポーツの可能性を感じさせてくれたのは確かだ。ロードスターがBEVになったら、こんな感じなのかな?
・パワー感:★★★
・ハンドリング:★★★★
・内装の質感:★★★★
・(お金があったら)買いたい度:★
■ウメキはこう見た!!
クルマ好き視点で「オモシロクナイ」ワケがないのよね、どー考えたってコレ。別件の取材で箱根ターンパイクにいたら、他所さんの取材でイエローのアバルト500eが走っていて、これがさ、“ぱぁぁぁぁぁ~ん!!”なんて軽快なエキゾースト音を山の木霊させちゃっているわけですよ。ん? あれBEVだよなー?
エキゾースト音をスピーカーから鳴らすってのは珍しくないんだけど、アバルトはスピーカーがフロア下、ちょうどエンジン車だったらマフラーのタイコのあたりに付いていて、外に向かって音を出している。
室内では「外からの排気音」が聞こえるので、なんというかリアルなんだよね。BEVで音必要か? って話もあるけど、イヤなら消せばいいって話。いやぁ~気分が盛り上がって楽しい楽しい!!
で、肝心の走りなんだけど、低重心で安定感バッチリ。「アバルト500」って考えるともうちょいピキッピキッとした軽快感が欲しい気もするけど、アジャイル感は充分にあって、これはこれで楽しい。でもお値段615万円ってのはなぁ……。
・パワー感:★★
・ハンドリング:★★★★
・内装の質感:★★★
・(お金があったら)買いたい度:★★★★★
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