BEVでは相変わらず中国メーカーが元気だ。なかでも破竹の勢いを見せるBYDが、2023年の世界販売台数を発表。日本メーカーの一部を上回るその台数は、2024年以降の日中メーカー同士の過酷な競争を予感させる!!
※本稿は2023年11月のものです
文/ベストカー編集部、写真/BYD ほか
初出:『ベストカー』2023年12月26日号
■2023年は300万台以上を販売! BYDの次の一手は?
2024年の年明け早々、日本の自動車メーカーは中国メーカーと過酷な戦いを強いられることになりそうだ。
中国では2023年、新エネルギー車購入の補助金が終了したことに加え、経済成長の低迷もあって国内の自動車販売が振るわなかった。代わって各社が力を入れたのが海外輸出。2023年の中国の自動車輸出は日本を超え、とうとう世界一となってしまった。
なかでも破竹の勢いとも言えるのが、ご存知、BYD。同社は1月3日にリリースを出し、2023年の世界販売台数が前年比62%増の302万台だったと発表した。300万台という数字は日本のスズキに匹敵し、330万台の日産を射程に捉える規模だ。
BYDは先進国が関係を絶っているロシアを始め、東南アジアや欧州で数字を伸ばした。油断できないのはその数字をさらに伸ばすために、着々と次の手を打っていることだ。
たとえば欧州。EUでは「はるばる中国から運ぶなんて脱炭素じゃない」とばかりに中国製EVを排除する動きがあるが、BYDは2024年、ハンガリーにEV組み立て工場を建設し、この動きを阻止するつもりだ。
日本車王国のタイでも同様。同国では2024年、BYD初の海外工場が稼働する。販売面でも地元の財閥などを味方につけ、EVで出遅れた日本車のシェア奪取を狙っているのだ。実際にタイではEVの売り上げが伸びているのだが、すでにBYDはシェア30%超を握っており、その勢いは止まりそうもない。
とはいえ迎え撃つ日本メーカーも、2024年は攻めの年となりそう。BYDに負けない魅力的なニューモデルの登場に期待したい!
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