かつて憧れたぜ! 100台限定の日産「パルサーエクサコンバーチブル」は北米仕様の内装がオシャレすぎた!!

■車名の「エクサ」は天文学や原子物理学の国際単位に由来

パルサーエクサの名、EXAは天文学や原子物理学の国際単位に由来している
パルサーエクサの名、EXAは天文学や原子物理学の国際単位に由来している

 聞きなれない「エクサ」という名の由来だが、当時の広報資料には、「エクサ(EXA)は、天文学、原子物理学などの分野で使われる国際単位のひとつ、1018(10の18乗)を意味する最大限の単位のこと。スポーティで先進的なイメージを凝縮し、従来のクーペの概念を超える無限の魅力を秘めた新型パルサーのクーペにふさわしいネーミングとして採用した」と説明されている。

 ちなみに、発表当時は最もエクサが大きな単位であったが、現在ではより大きなものが存在している。

 1983年(昭和58年)5月6日には、パルサー系兄弟車に高性能なターボエンジンを追加し、「エクサターボ」も登場。エクステリアの各部には、「TURBO」の文字が踊り、スポーティさを強調。

 さらに、ドアミラーやTURBOロゴ入りバケットシート、ブースト計付き5連メーターパネル、前後ディスクブレーキなどが専用装備として与えられていた。注目のターボエンジンは、インジェクション仕様の1.5L直4OHCエンジンをベースに、ターボチャージャーを組み合わせたもので最高出力115ps/5600rpm、最大トルク17.0kgm/3200rpmを発揮。トランスミッションは5速MTのみが用意された。当時の東京地区価格は、137万円であった。

 1984年(昭和59年)3月29日に、マイナーチェンジを実施。エクサの内外装は小変更に留められているが、ドアミラーの標準化に加え、バケットシート採用グレードの拡大や一部グレードでの電動ガラスサンルーフの標準化などを行っている。

 そして、1986年(昭和61年)5月にパルサーが3代目へとフルモデルチェンジを果たした後となる同年10月に、2代目モデルが独立した車種となる「エクサ」としてデビューを果たしている。

■日産チェリー販売店15周年記念の100台限定車として誕生!

パルサーエクサコンバーチブルは日産チェリー系販売会社創立15周年を記念した限定車として企画され、1985年に全国で100台限定で販売
パルサーエクサコンバーチブルは日産チェリー系販売会社創立15周年を記念した限定車として企画され、1985年に全国で100台限定で販売

 さて、今回の主役パルサーエクサコンバーチブルを紹介しよう。1985年(昭和60年)3月29日に発表された。日産チェリー系販売会社創立15周年を記念した限定車として企画され、全国で100台限定とされた。

 販売グループの15周年企画として、メーカー自ら限定車を開発してしまうというのは、かなり大胆な企画だ。しかもカタログモデルにないオープンにしてしまうという発想にも驚かされる。

 ベース車には、マイチェン後の「ベースグレード」を採用。エンジンがシングルキャブとなるエントリーモデルだ。トランスミッションは5速MTのみであった。ルーフ部は3層構造の手動式ソフトトップとし、オープン化のボディ剛性低下とロールオーバー時の安全性を確保するロールバーを装備。

 リアウィンドウとリアサイドウィンドウは割れにくく、耐老化性に優れるなどの特徴を持つ有機ガラスに変更していた。

パルサーエクサコンバーチブルの内装。赤を基調とした内装色は北米仕様と同じものを採用しているという
パルサーエクサコンバーチブルの内装。赤を基調とした内装色は北米仕様と同じものを採用しているという

 標準車との違いは何もコンバーチブルであることだけではない。なんと内装にも秘密があり、赤を基調としたシートは北米仕様のジャガード織りの生地を流用したもの。ドアトリムやスポーツタイプの3本スポークステアリングなども同様である。

 それを裏付けるのが、シート表面の「PULSAR NX」の文字だ。これは北米名が「パルサーNX」であったため、パーツが流用された証拠なのだ。また、クーペでは5名乗車仕様であったが、コンバーチブル化に際して4名乗車仕様に改められている。ボディカラーは内装同様に赤だけが用意されていたようだ。

 驚くべきは、その価格。なんとベース車の1.7倍ほどとなる198万円を掲げていたが、その希少性と製造の手間を考慮すればお買い得だったのかもしれない。オープン化と北米仕様の内装を取り入れ、アメリカナイズされたパルサーエクサという個性は、オーナーたちの自慢だったに違いない。

 今では、クーペのパルサーエクサに出合うことする難しくなっている。そして、エクサコンバーチブルにはメーカー純正というクォリティや強いこだわりも見て取れる。日産ヘリテージコレクションを訪ねた際は、ぜひチェックしてみて欲しい一台だ。

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