■FRセダンのデメリットとは?
では少なくとも高級車は軒並みFRにすればいいか、というと、一概にそうとも言い切れない。
当たり前の話だが、FRにはデメリットがある。
「リアデフを組み込んだリアサスのため後席や荷室レイアウトが難しくなる」、「プロペラシャフトなどの部品点数が多い」、「クルマ全体が重くなる」、「リアデフの発熱」、「前後異幅タイヤの場合タイヤローテーションができない」…等々あるが、一言でいうならば、「無駄が多くて高い」のだ。コスパが叫ばれる現代には、到底見合わないシステムである。
しかし、FRセダンを作るメーカーにとって、FRセダンには、決して捨てることができない“情緒的な価値”がある。FRセダンは自動車メーカーの花形車種であり、ベンツやBMW、ジャガーなど、FRセダンを作るメーカーには一目置かれる世界が、いまだ存在するのだ。
「伝統のFR」に挑む自動車メーカー・エンジニア達には、そのクルマを期待しているファンに応えるため、誇りをもって仕事をしている。
■まとめ
昨今、誕生し始めたフロント輪をモーター駆動する『電動4WD』(例:新型NSX)などもある。こうした新しいパッケージによって、FRセダンの駆動方式は数年以内に様変わりする可能性もある。非常に楽しみである。
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