最近、自動車保険がどんどん複雑になっている。ひと昔前までは大丈夫だったのに今だと保険適応されないケースも……でも上手に使えば保険料削減も夢じゃない! そこで今回は、多様化する自動車保険の賢い使い方を知って、皆さんにお得な愛車ライフの送り方を伝授しよう。
文/佐々木 亘、写真:Adobe Stock(トップ画像=umaruchan4678@Adobe Stock)
■家族限定の分岐点! 別居の子どもは既婚と未婚で取り扱いが結構違う
リスク細分化のひとつに「運転者を決める」という項目があります。
大きく分けると、車を運転するのは、自分だけ、自分と配偶者だけ、自分と家族だけ、自分と家族以外も含む、の4つに設定するのです。
「自分だけ」や「自分と配偶者」「自分と家族以外も含む」は一目瞭然でわかるでしょう。ただ、「自分と家族だけ」(一般的には家族限定)には、「自分と配偶者と子ども」と認識している方が多いのです。
ここで家族限定の適用範囲を改めて考えていきましょう。
既婚の別居の子どもAと、未婚で別居の子どもB、そして既婚で同居の子どもCがいるZさん。
Zさんの車は自動車保険の家族限定を設定しています。このとき、一人だけ家族限定の対象外となる子どもがいるのです。
自動車保険では家族限定の範囲を「同一世帯で生計が同じ」としています。つまり、既婚の別居の子どもAは家族限定の範囲外となるのです。
また、未婚の別居の子どもでも、以前結婚していた子どもは、補償対象外となる点にも注意しましょう。
■家族の多様化により家族限定は廃止されている
Yさんは、実家に帰省していた既婚の娘Dさんに家族限定のついた保険である車を貸しました。
ここで「おや?」と感じた皆さん、正解です。前述の通り、既婚の娘は家族限定の範囲の外にいる人になります。
Dさんは自損事故を起こしますが、保険は使えず、全額自己負担で修理代を支払うことになりました。ココ、注意です。
また、事実婚を結んだ夫婦に対して、事実婚の証明ができないという理由から、保険会社が事実婚の妻を配偶者と認めず、夫の車に加入している本人夫婦限定の補償対象外にしたという例もあります。
事実婚の事案は10年以上前のことで、近年では家族のカタチの多様化により、同性婚や事実婚でも、夫または妻として認められるようになっています。
そのため、各保険会社は、家族限定という補償条件を無くす動きも出てきています。時代の流れとともにリスク細分化の変更は、常に行われているのです。
■まずは加入している自動車保険の限定部分を確認する
自動車保険のリスク細分化により、保険料を安く抑えられることはうれしいことです。
一方で、限定をつけてしまい、運転者が補償対象外となってしまう恐ろしさも備えています。
事故が起こった後に、限定条件について見直しても遅いのです。
そのため、自動車保険の契約をする際には、必ず車を運転する人の続柄だけでなく、別居なのか同居なのか既婚なのか未婚なのかという細かい部分まで告知しましょう。
プロが正しい契約条件に導いてくれます。
また、家族の中で、契約時から何か変更があった場合(婚姻や別居等)は、異動について担当の保険会社へ報告し、正しい条件に設定し直すクセを付けておきましょう。
ここまで読んでいただいた皆様は、条件設定を誤っていたら、今すぐに変更手続きを行ってください。
代理店の無いネット保険では、よく発生する問題点ですので、保険の見直しは最低でも年一回、定期的に行いましょう。
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