■エンジンではなく周辺部品が?
まずエンジン本体は、ヘッドやブロックの図面は2Dのものしか存在せず、3Dデータ化した上で型を作るとなるととんでもない金額になってしまうとのこと。
ただ現在でもレストアサービスでも実施しているように、エンジン本体のオーバーホールに必要な部品の供給は続いているため、時間と費用は掛かってしまうが(ただしエンジン本体を再生産した場合の金額よりは大幅に安価)、オーバーホールを検討していただければ幸いだ。
続いて純正風オーディオは、当時の純正オーディオのようなフェイスパネルを持ちつつも、USBやBluetoothなどの機能を付帯したものを想定していたが、こちらも想定する出荷台数とそれに対応するサービス網の構築を考えると現実的ではないという判断となったそうだ。
そして最後のドアトリムだが、これは初期型のシンプルなものではなく、それ以降のタイプについて。
これは構成する部品点数が多くすべてのパーツの再生産の足並みが揃わないことと、ディーラーでそれらの部品の組み付け作業をするのが現実的ではないということから、現時点では再生産は難しいということになったとのこと。
マツダ車ではあるものの、メーカーだけでなくサプライヤーやディーラー、そしてエンドユーザーと多くの人が介在するからこそ難しい点もあるというのが、率直な筆者の感想だ。
■それでも出来る限り供給してくれる姿勢には頭が上がらない
ただ、現在復刻されていない部品のすべてが再生産の難しいものなのかというとそういうワケでは決してなく、メーカーとしてもイベントなどに足を運んでユーザーからの要望は常に聞いてくれている。
もし、「我々はこんな部品の再生産を待ち望んでいる!」というロードスターオーナーがいるのであれば、伏見さん曰く。
どんな部品を何人くらいのロードスターオーナーが欲しているのかをまとめて各地にある老舗のロードスタークラブを通じて連絡してもらえれば、「その個数であれば〇〇円/個くらいで再生産できる」と具体的な話に持ち込めるということなので、どうしても必要な部品があるオーナーは行動に移してみてもよさそうだ。
このように、2017年のサービス開始からまもなく6年が経過し、時代の流れなども大きく変わってはいるが、メーカー側がレストアサービスを諦めているということは決してないことがおわかりいただけただろうか。
実際、ロードスターのレストアサービスは取材時点で14台が完成し、現在は15台目の作業中とのことで、この後も7~8台のロードスターがレストアされるのを待っている状況なのだ。
また、ロードスターだけでなく、RX-7(FC、FD)も復刻パーツがリリースされ始めており、今後も更なる展開があるようなので、現オーナーも未来のオーナーも悲観することはなさそうだ。
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