リトラクタブルヘッドライトが愛らしい初代ロードスター。今となっては乗りたくても乗れないクルマとなってしまったが、どーしても乗ってみたい! そこで藁にも縋る思いでマツダに聞いてみたところ、どうやら「ロードスターレストアサービス」なるものがあるらしい。
文/小鮒康一、写真/MAZDA
■ロードスターレストアサービスの現在地を担当者に直接聞いてみた
古いクルマを維持していく上で、多くの人がその問題に直面するのが「部品の供給」であることは間違いだろう。
ガレージにしまっておいて、眺めるだけであればまだしも、車検を取得して公道を走行できる状態を維持していくには定期的なメンテナンスと、傷んだ部品の交換は必須となる。
しかし終売から時間が経ち現存数が減る一方の旧型車においては、すべての部品を永続的に供給するというのはさまざまな面から難しいのが現実で、必要な部品が入手できないという事態となるワケだ。
そんな現状を打破するために、現在複数の自動車メーカーが人気の高い旧型車用の部品を再販する動きを見せているのだが、その先陣を切ったのが2017年に初代ロードスターのレストアサービスをスタートさせたマツダだろう。
■ロードスターレストアサービスとは?
マツダが実施するロードスターレストアサービスとは、メーカークオリティで本格的なレストアを実施するもので、ボディとエクステリアのレストアを実施する基本メニューのほか、インテリアやエンジン、足回りなどオプションメニューも用意されるきめ細かなもの。
それだけに入庫するためにはボディの状態やカスタマイズの有無など条件が用意され、それをクリアしなければならないが、それでも多くのユーザーがメーカー謹製のレストアをしてもらうために順番待ちの列に並んでいるのである。
またレストアサービス対象外のロードスターユーザーにとっても、レストアサービス実施に伴って製造廃止となっていた部品が復刻されており(復刻部品の状況はクラシックマツダのサイトで確認できる)、フルレストアとはいかなくても、維持しやすい環境が整ってきたのは朗報となっていた。
■全部が全部とはいかないよね……
しかし、復刻されたハズのソフトトップがベースとなるビニール生地の調達ができなくなったため生産終了となったことで、今後のロードスターのレストアや復刻部品に暗雲が立ち込めているというウワサも流れるようになってきた。
そこで、初代ロードスターオーナーでもある筆者が、レストアサービスを担当するカスタマーサービス本部リージョン商品推進部部用品ビジネス基盤推進Gの伏見亮さんに直接話を伺ってみた。
一部パーツの供給が終了したのは事実だが……
伏見さんによると、レストアサービス立ち上げ後も一部パーツの供給がストップしてしまったのは事実で、これは部品を供給してくれていたサプライヤーさんの廃業や業態変更、そして使用していた型の老朽化と型の再作成のコストが見合わないなど、さまざまな理由が影響しているとのこと。
ただ、マツダとしても“供給が終了します“で終わらせるつもりはなく、ユーザーからの要望の多いものや車両を維持していく上で重要度の高い部品については、万が一前述のような理由で一旦、供給がストップしたとしても、別のルートで再生産ができるように検討していくそうなので、ひとまずは安心して欲しい。
とはいえいくらユーザーからの要望が大きくても、コスト面やサービス面で再生産が難しいものもあるようで、その代表的なものとして、エンジン本体、純正風オーディオ、ドアトリムの3点が挙げられた。
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