続報 マジで歴史的英断か!? 東海道新幹線に個室座席新設で1323席のルールが破られるのか?

続報 マジで歴史的英断か!? 東海道新幹線に個室座席新設で1323席のルールが破られるのか?

 東海道新幹線に現在のグリーン車を上回るプレミアム座席が新設されるというニュースが4月17日、JR東海から発表されたのは既報のとおり。2026年度からN700S車両の一部に個室座席を設ける、というのだ。さて、これはどんなシートなのだろうか? さらにわかったことをお伝えしよう!!

文/梅木智晴(ベストカー編集委員)・写真/JR東海、梅木智晴

1編成あたり1323席のルールを打破する個室座席の追加設置なのか?

個室座席のシートは大きくリクライニングし、大型レッグレストが備わる(画像提供:JR東海)
個室座席のシートは大きくリクライニングし、大型レッグレストが備わる(画像提供:JR東海)

 JR東海の東海道新幹線に走る車両は300系の時代から16両編成中にグリーン車3両を連結し、編成全体で1323席(うちグリーン車200席)と統一されていた。これはどの編成がどの列車に使われても販売済みの指定席に影響が出ないための方策だ。

 ダイヤ乱れなどで本来予定された編成が使用できない時に、車庫に待機する予備編成を投入したり、遅れて到着した編成を本来の計画とは異なる列車に急遽充当するような、柔軟な車両運用が可能となる。

 以前、JR西日本が開発した500系車両が16両編成で東海道新幹線区間にも乗り入れていたが、号車ごとの座席数が300系や700系と異なっていたためダイヤ乱れ時などに500系を所定列車以外に使うことができないなどの扱いにくさがあり、こうしたことも一因となって500系は東海道新幹線区間から撤退したという歴史がある。

かつては新大阪から先、東京駅まで16両編成で乗り入れていた500系。300系や700系などとは座席数が異なっていた
かつては新大阪から先、東京駅まで16両編成で乗り入れていた500系。300系や700系などとは座席数が異なっていた

100系以来の個室席。10号車の喫煙ルームの場所に設置されるのか?

 東海道新幹線に100系と呼ばれる編成中に2階建て車両を連結した車両が走っていた時代、グリーン車の一部に個室が設置されていた歴史がある。この車両は2004年に撤退したので、以来約20年間東海道新幹線には個室座席は存在していない。

 さて、2026年度より営業開始となる個室座席は編成中のどこに設置されるのか? 

 普通に考えればグリーン車の一部を活用して個室席を新設することになるだろう。当然ながら普通車も含めて現状の座席数を減らしたり配置を変更することはしないはずだ。

こちらはグリーン車。8号車、9号車、10号車で合計200席ある
こちらはグリーン車。8号車、9号車、10号車で合計200席ある

 これらを考えると、グリーン車の10号車に現状設置される喫煙ルームを廃止し、このスペースを利用して編成中2室だけのプレミアム個室席を設置する、ということになるだろう。これであれば編成全体での既存の座席数、号車ごとの座席配置にも変化は生じない。

 このあたりをJR東海に尋ねると、意外なことがわかった。

すでに走っている、40編成あるN700Sに改装を施して個室席を新設するのではないというのだ。今後2026年度にかけて投入する「2次車」に個室席を設計時から盛り込んで製造するという。

N700Sは現在40編成が営業運転に就いているが、個室席は既存車を改装するのではなく、今後投入する新造車に設置することになるという
N700Sは現在40編成が営業運転に就いているが、個室席は既存車を改装するのではなく、今後投入する新造車に設置することになるという

 この2次車は19編成の投入が計画されているので、2026年度に個室席の営業が開始される時点では、69編成のN700Sのうち19編成に個室席が設けられることになる。ちなみに既存のN700も含めると東海道新幹線には約130編成が走っているので、約15%の編成に個室が設置されることになる。

座席側から入り口方向を見た個室内の空間(画像提供:JR東海)
座席側から入り口方向を見た個室内の空間(画像提供:JR東海)

 これは東海道新幹線にとっては大きな出来事だ。編成によって個室席の有無という差異が生じることで、ダイヤ乱れなどの際の運用柔軟性に制約ができることになるからだ。個室の使用を考慮しなければどの編成をどの列車にでも充当可能だが、「個室アリ」の列車に個室が設置されない編成を充てることはできない。そのあたりはどのように対応していくことになるのだろうか?

次ページは : 料金は未定 1323席に加えた2室だけの超プレミアム空間は博多行きにも投入か?

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