■チューニングショップ店員を巻き込んで共犯に?
では、旧車窃盗における「指令」はどこから来るのだろうか?
「『2024年6月末までにR34GT-Rを3台』などの指示は海外から来ると聞いている。目当てのクルマを探す方法はいろいろある。便利なGoogleストリートビューも使う。屋外駐車場(道路沿い)に停めているクルマならストリートビューに画像が出てくる」
「何台か探して夜中に下見に行き、防犯カメラの位置やらセキュリティの状況、わざと揺らして警報音を出してみたりもする。ハンドルやバッテリーを外しているクルマがあれば犯行当日、クルマに合うものを持参して盗む。ハンドルロックがついていれば切断する道具を持っていく。これなら簡単に切断できる」
「あと、旧車はオーナーイベントや旧車ミーティング、展示会や走行会などのイベントに参加するオーナーが多い。そのような場所に出向いて物色することもある。こちらが日本人だと警戒されないのでやりやすい。『若い頃に乗ってたんですよ』『綺麗に手入れされてますねー』なんて言えば心を許してくれる。スキを見てGPSを仕込むこともある」
「旧車専門のチューニングショップの店員と仲よくなって目当てのクルマが入庫したら連絡をくれといってお願いする方法も効率がいい。その時、車検証のコピーも一緒にもらう。彼らは給料が安いから1台あたり謝礼として3万~5万円払うといえば簡単に教えてくれる。まあ、共犯だな」
「そのクルマを盗んだところで、警察は盗難車の捜査をほとんどしないから、どこから情報が出てきたかなんて99%わからない。共犯の店員まで捜査が及ぶことはまずありえない」
■Googleストリートビューはぼかすべし
何ともおぞましい内容で、ここまで聞いた時には思わず絶句してしまった。
ひとまず盗まれやすい旧車やランドクルーザー、アルファードなどを所有している人のなかで、クルマがストリートビューに映っている場合、「Googleマップ→問題の報告→不適切なストリートビューを報告」から、「ぼかし」を要請することができる。
なおこの時、重要なのは「ほかの日付を見る」の部分もチェックすること。過去の写真にも同じようにぼかしを入れたクルマが写っている場合は同じ手順でリクエストを送るべし。
また、旧車イベントなどにプリウスで来場している外国人や、なれなれしく話しかけてくる初老の日本人にも要注意といったところだ。
※今回、衝撃の告白をした元窃盗犯へのインタビューは関係者を通じて間接的にメールで行っています。
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コメント
コメントの使い方窃盗は経験があるので、被害者の気持ちを思うと、湧き上がる怒りの矛先を、どこに向けたらいいのか分からない。
悪いのは海外組織窃盗集団なんだけれど、どうやったら潰せるかを現実的に考えると打つ手がない。あまりに悔しいし憤る