観衆とドライバーたちが一体となっていた熱き時代── 1985〜1993 グループAを駆け抜けたサラブレッドたちの系譜

■三菱

スタリオンは1986年から本格的にワークス参戦し1987年には2勝をあげるも1988年をもって撤退した
スタリオンは1986年から本格的にワークス参戦し1987年には2勝をあげるも1988年をもって撤退した

 三菱といえばスタリオンだ。1990年以降のR32スカイラインGT-R独占状態となる以前のクラス1(ディビジョン3)は各メーカーのマシンが入り乱れて覇権争いをしていた。

 グループAレース初年の1985年はR30型スカイラインとBMW635CSiの一騎討ち、最終戦インターTECには欧州からスタリオンが凱旋参戦。

 そして翌1986年にはいよいよ本格的に三菱はワークス体制でスタリオンを送り込み、R30スカイラインRSとの熾烈な闘いを演じた。1987年には高橋国光/中谷明彦のドライブにより第1戦(西日本)、第2戦(西仙台)と連勝を飾る。

 しかしトヨタ、日産がエボリューションモデルを投入して戦闘力を高めていったのに対し、スタリオンはエボモデルの投入を見送り相対的に戦闘力がダウン。1988年シーズンを最後に撤退した。

■輸入車勢

1987年から1988年まで年間チャンピオンマシンとして活躍したフォードシエラRSコスワース/RS500
1987年から1988年まで年間チャンピオンマシンとして活躍したフォードシエラRSコスワース/RS500

 まずは開催初年度となった1985年、富士スピードウェイで開催された最終戦「インターTEC」に欧州王者のボルボ240ターボが参戦。ケタ違いの速さを見せつけ、ワンツーフィニッシュを達成。さらに翌1986年のインターTECで連覇を果たした。

 1985年の初代グループAディビジョン3(クラス1)チャンピオンマシンは「世界一美しいクーペ」、BMW635CSi。第2、3戦で2連勝を達成した。

 さらに1987年からはディビジョン3でフォードシエラRSコスワース/RS500が猛威を振るい、シリーズチャンピオンに輝いた。R31スカイラインとのバトルは今も語り継がれる。

 また、ディビジョン2(クラス2)では初代BMW M3(E30型)が登場。以後、クラス2では1993年のグループA終了までM3のワンメイク状態となった。

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