梅雨に入っても暑さが収まる気配のない日本列島。大人でも耐えられない暑さの車内は、小さな子にとって命の危険をはらむ場所になる。特に厚いシートで安全を担保するチャイルドシートは、熱がこもりやすい。子育て奮闘中の筆者が、チャイルドシートの暑さ対策を紹介していく。乳幼児のパパ・ママは、是非実践してほしい。
文:佐々木 亘/写真:ベストカー編集部、AdobeStock(トップ画像=yamasan@Adobestock)
■サウナ状態のチャイルドシート
道路交通法により、6歳未満の乳幼児をクルマに乗せる際には使用が義務化されているチャイルドシート。子供を万が一の事故の衝撃から守ってくれる大切なものだが、その頑丈さがゆえに、夏場の熱のこもり方が尋常ではない。
炎天下の青空駐車では、車内の温度は50度以上に達する。シートの温度もそれと同様、もしくは直射日光の入り方によっては、それ以上になりうるのだ。お風呂でさえも38℃のお湯に数分しか入らない乳児にとって、熱くなったチャイルドシートに縛り付けられて動けなくなるのは、サウナに閉じ込められているのと同じ状況。
「暑い・寒い」を言えない乳児は、あっという間に熱中症になってしまう。大人が感じる以上に、チャイルドシートの熱対策は大切なことなのだ。
■後ろ向きのチャイルドシートは特に注意が必要
現在主流になっているチャイルドシートの規格「R129」では、生後15か月未満で身長が76cm未満の場合、チャイルドシートを後ろ向きに設置することが推奨されている。これは安全上必要な措置なのだが、後ろ向きに設置されたチャイルドシートにはエアコンの風が届きにくく、チャイルドシート周辺の温度を、効率よく下げることができないのだ。
そこでやってほしいのが、車内にサーキュレーターを付けること。設備上難しければ、ハンディ扇風機、もしくは服に挟んで取り付けるタイプの小型扇風機をチャイルドシートの幌に付けるなどして、風が直接乳児に当たらないように注意しながら、チャイルドシート周辺の空気を動かしてあげるといい。
また、車内温度が下がってきても、チャイルドシート自体の温度は簡単には下がらない。シートに接する背中は汗だくになり、その熱は乳児の体にも伝わっていく。
乳児を乗せる前にシートを冷やす時間があればベストだが、難しい場合は背中部分や首の部分に保冷剤を挟んであげよう。熱が直接伝わりにくいように、タオルやガーゼを体とシートの間に挟んであげてもいい。
とにかく、シートの熱を冷まし、熱が乳児に伝わらないような対策を取ることが必要だ。
■こんなのあるの? チャイルドシートのベンチレーションが最高の解決策だった
筆者ファミリーは、王道の熱さ対策であるタオル敷きと保冷剤挟みで暑さになんとか耐えていたのだが、保冷剤はすぐに溶けてしまい、お出かけの行きは良いが、帰りはアツアツになってしまうので困っていた。
何か別の対策は無いものかと調べていき、たどり着いたのがクールシート。これなら何とかなるかもと思い購入したのが「airluv(エアラブ)」という商品である。
簡単に言うと、チャイルドシートやベビーカーに取り付けられるベンチレーションシステムだ。シートカバーのような本体にファンが付いていて、本体表面に開けられた無数の穴から風が吹き出すもの。電源は車内のUSBポートか、モバイルバッテリーを使用する。
これが結構いい出来で、チャイルドシートに乗せた後、あれだけ汗をかいていた息子の背中が、エアラブ取り付け後は降りる時にもサラサラのままだった。暑さで嫌がっていたベビーカーやチャイルドシートに乗り込むのも、エアラブを付けた後からは超スムーズ。
本体価格は1万800円~と少々値は張るが、効果と子供の健康を考えたら買って損はないと思う。我が家では、息子がエアラブを気に入りすぎて、自宅の簡易ベッドの上にも敷くほどに。
贅沢を言えば、ベンチレーションシステムの風は、吹き出すよりも吸い込む方が冷却性能は高いから、エアラブでも吸い込みを実装してほしかった。それでも風が吹き出す仕様で、乳児の体温を適正に保ってくれるから、十分なのだが。
物言わぬ赤ちゃんだからこそ、親が先回りして対策をしなければならない。夏の暑さ対策はクルマの中でももちろん必須だ。様々なグッズを利用しながら、赤ちゃんが過ごしやすい車内環境を作り上げてほしい。
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