かつては高級車の証の一つでもあったシートヒーターは、今や軽自動車にも装備される当たり前に。一方ベンチレーションは、いわばシートクーラーといったところ。だが、これまだまだ高級車の専売特許状態なのだが、なんで高級車だけなのか? そしてシートヒーター並の市民権を獲得する日は来るのか!?
文/青山尚暉、写真/トヨタ・ベストカーWeb編集部
■EV全盛になればエアコン以外の新機能が必須に!?
今年の夏は暑すぎる!! 東京でも連日35度オーバー、地域によっては体温より高い37度、いや40度に迫る外気温だ。そんな季節の移動にクルマはうってつけだが、屋外駐車、炎天下に止めたクルマの乗り始めはそうもいかない。
車内の温度は50度を超えることもあり、フロントウインドー越しに直射日光を浴び続けるダッシュボードはさらに高温になるという。
エアコンを作動させても、すぐに車内温度は下がるはずもなく、サウナ状態での運転、乗車になるはずだ。
ところで、クルマの車内環境をより快適にしてくれる装備として、冬はシートヒーター、ステアリングヒーターがある。
かつては高級車専用の装備だったものだが、今では軽自動車にさえ用意されているから、特に寒冷地の軽自動車ユーザーにとっては嬉しい限り。
もっとも寒さはダウンなどを着て、ドライビンググローブを着用すれば、どうにかなる。
ヒーターが最大の敵(!?)のBEV=電気自動車では、エアコンの暖房に頼らずとも寒さを感じずに済むシートヒーターはもちろん、新たな機能も。
トヨタのbZ4Xでは輻射ヒーターなる、わずか1分でひざ下を暖めてくれる、消費電力の少ない暖房装備まであるほどだ。
だが、暑さは例え水着着用で乗っても、涼しくものではない。まず窓を全開にし、車内の熱気を逃がしつつ、エアコンONで走り出すのがもっとも効果的と言われている。
エアコンを最大風量、最低温度に設定しても、しばらくは灼熱地獄。熱さとの戦いの運転、ドライブになる。
■その快適さはまるで「座るひえピタ」!?
そんな夏の暑さを和らげてくれる快適装備が「シートベンチレーション」だ。シートがパンチングの穴やメッシュからエアコンの冷気を吸い込み、体とシートの間を涼しくしてくれる、夏に一度体験すればもうやみつきになる超快適な車内の暑さ対策機能である。
誤解のないように説明すると、シートからエアコンの冷気が出るわけではない。すでに説明したように、エアコンの冷気を吸い込むことで機能する。シートクーラーではないということだ。
しかしその効果は絶大でクルマに乗り込み、エアコンをONにし、シートベンチレーションを作動させた瞬間から、背中や太腿の裏が涼しく、爽快になる(キンキンに冷えるという意味ではない)。
そしてシートの表面温度は約10分でかなり下がり、エアコンルーバーからの冷風との相乗効果で、体を冷やす以上の快適感、気持ち良さが体感できるのである。
筆者の独断的な感想だが、先日、シートベンチレーションの付いたスバル ソルテラで36度の猛暑の中、ロングドライブを経験した。
航続距離を伸ばすため、エアコンをエコモードにセットしても、即暑さを感じにくくなったのと同時に、クルマに乗り込む前に背中にかいた汗がスッと引き、結果的に背中に汗をかいたままシートにすわって運転するとなりがちな、シャツの背中のシワも最小限で済んだのである。
真夏、勝負服でなるべくシワシワにならずに移動したい……という要望にも応えてくれそうなのである。
コメント
コメントの使い方レカロのベンチレーション・シート購入したけど、全然効果を感じなかった。
会社に聞いてみると、腰を冷やさないのが社是、と言われた。
だったら売るなよ…….めちゃ高かったのだから。
(メルセデスGLE450、911の純正品はすごく快適!)
汗臭いの吸ってどこに出してんだ?後ろの席?シート溜め込み?…と言うのが気になって、汗かいた時こそ使えなかった…。
純正ベンチレーションシートは、後付けと違って座り心地やサポート能力、内装マッチングや上質感などで社外を圧倒なうえに、他装備含めると割安ですからね
トヨタは140カローラで採用して、これからは大衆クラスでも当たり前になる!と期待しましたが、次が廉価志向だったので消えて残念でした
ハリアーやマツダのラージ系にはありますが上位グレード、ある程度安くて欲しいとなるとプリウスくらい。もっと採用増えてほしい