■相変わらずのスバル流インパネ
クロストレックのインパネは基本的にはインプレッサと同じです。段を積み重ねたような造形は少しガチャ感があります。
さらに、ブラックの色味が部位によって違っているので、まとまり感がありません。黒だけで6タイプの色違いがインパネにあります。反射や素材の質感を考慮して、同じ色味に見える工夫がほしいところです。
メーターの視認性はいいです。文字の大きさも重要ですが、書体も読み取りやすさに効いています。
シートは座面のクッションストロークもあり、お尻がスッと沈み込みます。ただ、表皮が滑りやすく、身体がホールドされません。
ペダル配置は適正で、踏み間違いのリスクも小さいです。
後席ドアを開けるとドアとサイドシルを噛み合わせるストライカーがあるのはほかのスバル車同様です。ガッチリとしたクロスメンバー効果を持たせて高い剛性を作っています。
さらに後席乗員を3cm程内側に座らせるシート配置とすることで、側突時の乗員保護性能を高めています。北米での衝突試験で高い評価を受けるのも納得です。
■スバル クロストレック
いつものように歩くほどの速度でゆっくりと走らせながら左右に大きくステアリングを回します。インプレッサではセンターから左右10度ほどは不感地帯がありましたが、クロストレックは遊びがなく、左右差なく素直に反応します。
速度を上げていくと……ロードノイズがよく抑えられています。しっかりとした車体の剛性やパネルの合わせの精度を感じます。橋梁部の路面の繋ぎ目の段差もスムーズにいなしますし、音も抑えられています。路面のペイントを通過する際の足の動きも滑らかです。これはいい足です。
ややステアリング反力が弱く軽く感じるのですが、クロスオーバー車ということを考えると、このくらいゆったりしたほうが悪路では乗りやすい。ターンパイクの下り込みのターンインでもフロント荷重になることはなく、しっかりと後輪が接地しています。
フロントの切れ込みに対するリアの追従バランスもよく、安定したコーナリング姿勢です。ショックアブの減衰は伸び側も縮み側も緩めて自由に動かしています。けっしてスポーティな操縦性ではありませんが、クロスオーバー車としての操安の合わせ込みは秀逸です。
フルブレーキングではノーズダイブがやや大きめですが、リアサスがスーッと伸びて接地が失われません。
エンジン音がカウル部のエアコンフレッシュエア導入口を伝わって室内に入ってくるのが気になります。フロアからの振動系低周波音はまったく入ってこないぶん、さらにエンジンの吸気騒音が目立ちます。
2LNAエンジンは、マイルドハイブリッドのモーターがアクセルを踏んだ瞬間のトルクレスポンスをアシストするので、非力感はありません。
■レクサス LBX
同じように歩くほどのゆっくりとした速度でステアリングを左右に大きく切ると、若干左右の応答性に差があります。フロントの動きには左右差はありません。
リアサスに荷重が入った瞬間の追従性の違いで、右に切った時に遅れを感じます。つまり、左リアサスです。反力感が少なく、接地の感触も希薄です。微小な段差が連続する、波状路面区間を40km/h程度で走るとわかります。
左リアからは突き上げの振動が入ってきません。これはショックアブやサスペンションの問題ではなく、車体です。トーションビームの取り付け部だと思います。
フロントは左右差なく反応しています。バネが硬いため、操舵に対する反応はシャープで“シュシュ”と動きます。ショックアブの微小入力域でややフリクションがあるため、足の動き出しが渋く、路面の小さな凹凸を拾ってゴツゴツした硬さを感じます。
3000rpm付近だけステアリングホイールに大きめの共振が出ます。これはエンジンです。3気筒の振動です。パワーユニット自体はよくできています。トヨタのハイブリッドシステムは完熟しています。
急制動ではペダルを踏み込んでからワンテンポ遅れて制動力が立ち上がります。常用域ではこの遅れはありません。この効き方は少し違和感がありますね。
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