皆さんは「トラックGメン」という言葉を聞いたことがあるだろうか。そもそもGメンと言えば捜査官などを指す言葉で、「万引きGメン」とか「麻薬Gメン」とかが馴染み深いだろう。そんなGメンとトラックを組み合わせた言葉が実は存在するのだが、果たしてそれは何を指すのだろうか?
文:西川 昇吾/写真:ベストカーWeb編集部:AdobeStock
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Gメンとトラックという言葉の組み合わせ。ここから連想されることは、トラックの何かしらを操作・監視をしていることだろう。その認識はあっている。
トラックGメンが操作・監視しているのは、トラックドライバーに対して無理な依頼や容量をしてくる荷主や元請事業者などだ。
具体的な内容としては、長時間の荷待ち待機や無理な到着時間の設定、過積載になるような依頼、異常気象時の運行指示などだ。
トラックドライバーの人手不足から「2024年問題」が問題視されているが、トラックGメンはこのような問題に対する対策、そしてトラックドライバーを守るために国土交通省が創設した専門部隊だ。
トラックGメンが目指すのはトラックドライバーが適正な運賃を受け取れて、労働環境が改善されることだ。
もし、違反行為の疑いがある荷主や元請事業者が居た場合は調査を行い、事実が確認されれば改善に向けた計画策定の指導などをする。
【画像ギャラリー】ドライバーがいるから、私たちはネットなどで商品を購入できる。(6枚)画像ギャラリー■ちょっと待って。どうやって情報を集めるの?
トラックGメンの概要は簡単に紹介したが、彼らは具体的にどのようにして違反をしている荷主や事業者を探し出しているのだろうか? 実は結構アナログな方法だったりする。
それはサービスエリアやパーキングエリアに停車している、あるいは物流倉庫周辺に並んでいるトラックドライバーに声をかけてトラックGメンのチラシを配り聞き取りをするということだ。
また、目安箱の設置や荷主や元請事業者への電話での聞き取り調査なども行っている。
トラックGメンが大々的に活動することにより、ドライバーに依頼をする側もキチンとしなければならないとより襟を正すようになるし、トラックドライバーも相談できる頼りになる組織が出来たことだろう。
これまでよりも、トラックドライバーが不当に扱われることがあれば、意見を述べやすい存在が出来たのだ。
もしこの記事を読んで気になったトラックドライバーさんがいたら、ぜひトラックGメンのポータルサイトや目安箱をチェックしてみてほしい。
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トラックGメンは2023年7月21日に創設されたが、2024年6月30日までに635件の荷主・元請事業者へ働きかけを行っている。
さらにそこから再発した場合は国土交通大臣名の要請書が発出されるわけだが、これが174件。そしてそれでも改善されない場合は勧告を受けるわけだが、事業者名も公表されてしまうのだ。
勧告はこれまで2件となっているそうだが、違反行為がある疑いが認められる働きかけでも600件を超えているのはなかなかの数字に感じる。
トラックGメンの活動が広がることにより、トラックドライバーの環境が改善されることを願いたい。
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