需要拡大が期待されるケニアでシナジー活用
IEAでは現在、ピックアップトラック「D-MAX」およびSUV「Mu-X」、小型トラック「Nシリーズ(日本名エルフ)」、中・大型トラック「Fシリーズ(同フォワード)」、大型セミトラクタ「GXZ」(海外専用モデル)を展開、首都ナイロビにあるIEA生産拠点でコンプリートKDによる現地組立が行なれている。
ケニアの新車市場には、日本はもとより欧州・インド・韓国・中国などのメーカーが進出しているが、日本車は高い人気があり(日本で使われた中古車も大量に輸入されている)、いすゞは商用車分野でトップシェアを有しているとされる。そのIEAの販売サービス網と、UDブランド車を含めた幅広いラインナップは、今後の同国トラック市場での競争を優位に導いていく可能性があるだろう。
12月14日には、ケニアで2番目に大きい都市・モンバサでUDブランド車を扱う新しいサービスセンターもオープンし、IEAのリタ・カヴァシェ取締役社長やUDトラックスMEENA部門のムラド・ヘドナMDとともに、日本からもいすゞ自動車の池本哲也取締役専務執行役員(営業部門EVP)、UDトラックスの伊藤公一代表取締役会長が開所式に出席した。
市場ボリュームはまだまだ大きくないものの、東部アフリカでは最大の経済規模をもち、自動車産業の育成が進められているケニアは、将来の生産拠点となりうるポテンシャルを秘めている。いすゞ・UDのトラック併売は、企業戦略面でも布石のひとつになるのかもしれない。