純電動の長距離輸送を可能にする「Eテック T780」
いっぽう、BEV大型トラックのフラッグシップとなるのが「Eテック T780」で、長距離輸送の電動化を大きく前進させる。1度の充電で最大660kmを走行し、既存のトレーラとの連結や軸重など、従来車との互換性も維持しながら純電動での運行と積載能力を拡張した。
これは総容量の95%まで利用可能な高エネルギー密度のNCA(ニッケル・コバルト・アルミニウム)系リチウムイオン電池を採用したことで実現したもの。また、早くから電動化を推進してきたルノー・トラックスは、顧客による1.5億kmに上るBEVトラックの走行データを分析し、そこで得られた知見から電動ドライブトレーンの最適化を行なった。
同社のコネクテッドトラック7万台が過去2年間に稼働したデータを分析したところ、新世代のBEVトラックなら従来の輸送業務の80%を代替可能であることを確認した。また、法定休憩中(欧州のトラックドライバーは、4.5時間の運転につき45分の休憩が義務付けられている)に充電が可能であれば、この割合は90%に達する。
アップデートされたルノーのEテック Tシリーズは次の3つのバージョンで構成されている。数字は搭載するバッテリーの容量だ
●E-Teck T 780 : 航続距離660km、最大積載量27.4トン(6×2構成)
●E-Teck T 585 : 航続距離500km、最大積載量28.8トン
●E-Teck T 540 : 航続距離450km、最大積載量25.0トン
小型~中型商用車でもBEVソリューションを拡大
また、小型商用車として新型BEVバン「Eテック トラフィック」を発表した。純電動プラットフォームは、モジュラー式の「スケートボード」型アーキテクチャを特徴とし、コンポーネントの配置を見直すことで操作性と積載容量の最適化を図った。
同車はソフトウェア定義型の車両(SDV)でもあり、リモートでのアップデートも可能。航続距離は最大470kmで、電気駆動のアーキテクチャは800V。欧州市場では2027年から発売される予定となっている。小型商用車の販売を強化しているルノーは、欧州で年間4万台という目標に向けてBEVソリューションを拡大する。
さらに、IAAでは中型BEVトラックの「Eテック D12T」と「Eテック D14T」も披露した。総重量で12~14トンを担う同車は、2400mm幅のシャシーと7.3メートル未満の最小回転半径、このクラスで唯一となる前後フルエアサスを備え、都市部での配送に最適な車両となる。
航続距離は最大220kmで、積載量はD12Tが5.6トン、D14Tが6.7トンだ。ルノーの中型BEVトラックはこれを含めて車両総重量で12、14、16、19、26トンをラインナップする。
全ての製品においてルノーが強調しているのは「電動化の成功はハードウェアだけでは決まらない」ということだ。同社の「Eテック」プログラムは電動モビリティのスペシャリストと、高度な分析ツールによるコンサルティングサービスを提供している。
BEVの導入に際して、運送事業者に対してルートや車両の分析、拠点のエネルギー使用量の評価、脱炭素化の個別ロードマップの策定までサポートするという。
【画像ギャラリー】ルノーTの「Eテック トラフィック」と新型エンジンによる「Tハイ・アルティメット」(18枚)画像ギャラリー

















