電気でもディーゼルでも重要なのは「効率」
MANのBEVトラックラインナップはeTGL, eTGM, eTGS, eTGXシリーズとなっており、積載量で12トンから50トンまでをカバーする。都市部の集配送から長距離輸送までほぼ全ての輸送用途に対応する。シリーズの全てで採用しているのが、MANが独自開発する高効率のモジュール式バッテリーだ。
7月末にはメガワット充電システム(MCS)を搭載するeTGXおよびeTGSの製造を初めており、順次納車も始まっている。大型車用の超高速充電により、約30分でバッテリー充電率を20%から80%まで回復することが可能となった。
IAA2026ではボルボやダイムラーと合弁のマイレンス社を通じてMCSの速さと効率を実演した。
効率向上が重要なのはもちろん従来型のパワートレーンも同じで、新たに導入したD30型ディーゼルエンジンを中心とする「パワーライオン」パワートレーンは、従来比で最大5%の燃費向上を実現している。
同社はディーゼルエンジンを初めて実用化した企業として知られているが、MANのディーゼルエンジン製品は市場で最も効率的なソリューションの一つとなっている。ディーゼル車としては今回、TGS 8×4をベースとする60トントラックをIAAで発表した。その堅牢性と積載量は鉱山での用途に最適だという。
量産が近い電動バンと運転支援システムのアップデート
また、バンセグメントでも量産間近の車両が発表され、電動化戦略の次のステップは小型商用車の「TGE」となるようだ。スイスのフラックス社と共同で開発している車両で、4輪駆動や電動パワーテイクオフを必要とする特殊な用途向けに開発したという。
こうした用途は緊急車両や消防隊、自治体業務向けの車両など電動化がなかなか進まない分野だった。搭載するバッテリーは119kWhで航続距離は最大480km。量産間近の車両を公開することで、顧客からのフィードバックを募っている。
効率、安全性、快適性をさらに向上させるため、運転支援システムのアップデートも発表している。予測型クルーズコントロールは交通インフラとの連携をさらに強化したほか、自動ブレーキはより積極的に他のシステムと連携し、道路利用者の安全を確保する。
新型eTGXではスマートフォンのワイヤレス充電機能などドライバー向けの快適機能も強化した。
なお、MANがIAAに先立って公開した戦略レポート「ビヨンド・ディーゼル」では、電動化の段階が異なる3つのフリートを例に、BEVトラックの早期導入によって得られる経済的な優位性を示している。
太陽光発電や蓄電などのエネルギーソリューションと組み合わせることでBEVトラックの可能性が最大限に引き出され、5年後にはディーゼル車より最大で13%のコスト削減が可能になると試算している。
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