電動トレーラ技術のアドバンテージと課題
今回の発表を受けて、顧客が期待するのは、ZFのブレーキ制御と電動システムにAxTrax 2などの先進技術が組み合わされることだろう。電動アクスルによる回生ブレーキと駆動力サポートは、最大で連続210KWの出力と、26000Nmのピークトルクをシームレスに提供する。
ZFのシステムは高度なソリューションとして設計されており、メーカーはそれぞれのトレーラのプラットフォームに電動技術を簡単に組み込むことができる。電気駆動は内燃機関より構造が単純でモジュール化に向いている。商用車の電動化が進んだことでトレーラに電動アクスルを搭載することが可能になった。
回生ブレーキによって発生した電気はバッテリーに戻され、燃料とCO2排出を16%低減する。プラグインハイブリッドバージョンは内燃機関のトラクタと組み合わせた場合でも排出量を40%低減する。
とはいえ、けん引されることを前提に設計されたトレーラに駆動力を持たせるという試みは、連結状態での車両の安定性や安全性に関して未知の部分があり、先述の通り、法規対応の面では地域的なばらつきがある。
ZFの電動トレーラソリューションは将来的な基準を満たし、それぞれの国や地域の規制に適合できるように設計されているという。最初の電動トレーラは規制当局の承認が得られればEU域内の公道で運行を開始する予定となっている。
【画像ギャラリー】トレーラに駆動軸を追加!? ZFの「電動トレーラ」というコンセプト(2枚)画像ギャラリー