ユニークな荷台構造に注目!! 司工業が製作した三菱ふそうスーパーグレートベースの木材チップ運搬車に迫る!!

ユニークな荷台構造に注目!! 司工業が製作した三菱ふそうスーパーグレートベースの木材チップ運搬車に迫る!!

 司工業が製作した三菱ふそうスーパーグレートベースの木材チップ運搬車は、シンプル&タフなバランスアオリ平ボディの特別仕様。ユーザーのこだわり満載の荷台仕様に注目だ!!

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
*2023年9月発行「フルロード」第50号より

ベース車両は三菱ふそうスーパーグレートFS系

司工業が製作した木材チップ運搬車。架装ベースは三菱ふそうスーパーグレートFS系だ
司工業が製作した木材チップ運搬車。架装ベースは三菱ふそうスーパーグレートFS系だ

 製紙原料やバイオマス発電の燃料として活用されている木材チップ。この木材チップを運ぶトラックが「木材チップ運搬車」だ。

 木材チップ運搬車には、荷台をダンプアップして積み荷を降ろす「ダンプ車」、レールを交互に動かして積み荷を自動で降ろせる「スライドデッキ車」、クラシックな構造の「バランスアオリ平ボディ」の大きく3種類が存在。

 今回はこのうち、木材チップ運搬車の原点と言われるバランスアオリ平ボディの最新車両を紹介しよう。

 製作は、東京都江戸川区に本社、千葉県佐倉市に工場を置く「司工業」が行なった。同社はフルオーダーメイドの平ボディをはじめ、バン/ウイング車、産業車両運搬車などの製作を得意とする老舗架装メーカーだ。

 ユーザーの境運輸(群馬県伊勢崎市)は、地元の農作物をメインに、加工食品、一般貨物、宅配貨物、木材チップなどを幅広く運んでいる総合物流会社。

 今回の車両は、木材チップ輸送を専門とする千葉営業所で長年運用してきた木材チップ運搬車の代替車にあたるという。

 ベース車両は三菱ふそうスーパーグレートFS系4軸8×4低床フルエアサスシャシーのフルキャブ/ハイルーフ仕様。

 サブフレームは縦根太の上に横根太を重ねるクラシックなスチール構造だが、床面地上高を低く抑えるため、縦/横根太を通常より低いタイプに変更している。

 荷台コンセプトは「シンプル・イズ・ベスト」で、構造がシンプルなバランスアオリ平ボディを採用して最大積載量をしっかり確保するとともに、耐久性、美観性、作業性も追求しているのがポイントだ。

軽量化に加えて耐食性や美観性にもこだわった荷台

荷台は5方開のバランスアオリ平ボディで荷台寸法は内法長9500mm×内法幅2340mm×内法高2750mmとなっている
荷台は5方開のバランスアオリ平ボディで荷台寸法は内法長9500mm×内法幅2340mm×内法高2750mmとなっている

 バランスアオリ平ボディは、天井が開いた箱型のボディ側面に、上下二分割式のアオリ(バランスアオリ)を搭載するのが特徴。

 上下二分割式のアオリはワイヤーで上下が連結されており、下のアオリを開くと、上のアオリも自動的に開く仕組みとなっている。

 荷降ろしは通常、「ダンパー装置」と呼ばれる装置で車両を傾けてリアから行なうが、ダンパー装置がない場所ではバランスアオリを開き、重機で木材チップを押し出す方法を採る(積み込みは天井から行なう)。

 従来、境運輸が運用していたバランスアオリ平ボディは片面3枚のアオリを持つ7方開の荷台仕様だったが、中間柱が2本だと開口部が狭く、作業性が良くなかったため、今回は片面2枚の5方開の荷台仕様を採用。

 これにより作業性が良くなり、中間柱が1本減ることで軽量化も実現した。なお、鳥居、中間柱、後ろ柱はスチール製が標準だが、境運輸では耐食性と美観性を向上するため昔からステンレス製を採用しているという。

 床は標準のアピトン床材だが、表面にステンレスパネルを貼り合わせて耐食性を向上。床面地上高は1030mmとなっている。

 リア観音扉はアルミ製だが、表裏にステンレス製の鱗柄パネルを貼り合わせることで耐食性と美観性を向上。前後フェンダーやサイドバンパーは軽量化のため小型タイプを採用するが、素材をステンレスとすることで耐食性と美観性を両立している。

 リア周りは三菱ふそう純正テールランプをステンレスパネルで囲った仕様で、ナンバープレート左右にダンパー装置での荷役時に使う「ダンパー当て」を備える。

 収納は左側ホイールベース間の燃料タンク前方に75リットル、左右リアオーバーハングに90リットルの道具箱を搭載。キャブルーフ部にもステンレス製デッキを搭載。ここには荷台天井部を覆うシートカバーを収納する。

【画像ギャラリー】スライドデッキ車&ダンプ車との違いは? 司工業の木材チップ運搬車のディティールをチェック!!(16枚)画像ギャラリー

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