10月28日から一般公開スタートのジャパンモビリティーショー2023(JMS2023)、そのメディア公開(プレスデー)が10月25日に始まった。日野自動車ブースの出品車を紹介する。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
日野・プロフィアZ FCVプロトタイプ
水素から電力を得る燃料電池(FC)で走る電動トラック。車両総重量25トンの大型トラック「プロフィア」の6×2駆動モデル・FRをベースに、ディーゼルエンジンやトランスミッション、プロペラシャフト、駆動軸を外して、代わりにトヨタFCシステム、高圧水素タンク、高電圧バッテリー(リチウムイオン電池)、eアクスル(電気モーター付き駆動軸)などを搭載する。
トヨタFCシステムは、FC乗用車「MIRAI」用システムと同型ながら制御を改めた大型トラック用。FCシステムの電力は直接、eアクスルへ供給するのが基本とのことで、そのぶん高電圧バッテリーをEVほど積む必要がなく、電動車ながらベース車と同等の積載量を実現している。これはFCトラックのメリットといえる。
アサヒグループ、西濃運輸、NEXTロジスティクスジャパン、ヤマト運輸で実証運行中で、航続距離は約600kmを目標としているが、想定したよりも水素消費が少ないという。
車両展示では、この最先端のプロトタイプの運転席に座ることが可能だ。
日野・デュトロZ EV
バッテリーEVだからこそ実現できた前輪駆動・超低床荷台・ウォークスルー構造で、いまの普通免許で運転可能という、新しい時代の小型トラック。
キャブの乗降性、運転席から荷室への移動、荷室サイドドアまたはリアドアの乗降性など、いままでのキャブオーバー小型トラックに対して、取り扱いのしやすさは画期的とさえいえる。
ブースでは、ウォークスルーバン仕様とその荷台をカットしたモデル、キャブ付シャシーにアルミバンボディ(ボックスバン)を架装した非ウォークスルー仕様の3台を展示。また、後者の展示では、EVトラックの導入をサポートする「CUBE-LINX(キューブリンクス)」のソリューションも併せて紹介している。
このほか、物流に関する社会課題の解決に向けて、日野自動車はじめ20社が参画するNEXTロジスティクスジャパンが取り組んでいる、ダブル連結トラックの運行(量子コンピュータを用いた積み合わせの最適化など)についても紹介している。
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