巨大市場に成長する可能性がある自動運転トラック
ダイムラー・トラックは大手トラックメーカーの中でも自動運転技術の開発に積極的に取り組んでいる。
2015年に世界で初めて公道での大型トラックの自動運転が行なわれたもの米国のネバダ州で、車両はフレイトライナーのカスケイディアをベースとする「インスピレーション」と名付けられたトラックだった。
インスピレーションはSAEレベル2相当の自動運転機能を備え、安全のために(米国のCDL免許を保有する)人間のドライバーが搭乗する必要はあったが、州政府より正式な自動運転免許が発給されていた。
同社はレベル4自動運転トラックを2027年に米国で市場投入するという目標を掲げている。
(なお、SAEレベル2の自動運転とは、システムがラテラル(横方向)のステアリング操作とロンジチューディナル(縦方向)のアクセル/ブレーキ操作を行なうことができるが、運転の主体はあくまで人間にあるものを指す。同レベル4は、運転の主体がシステムにあり、人間が介入することなく限定領域において全ての運転タスクをシステムが担う高度自動運転を指している。レベル2相当の自動運転機能を有するトラックは日本を含めて既に市販されている。また、運転の主体がシステムにあるが決まった条件下で人間の介入が必要な「レベル3」は、商用車においては利点が少なくスキップするメーカーが多い)
トルク・ロボティクスは一部の運送会社とともにカスケイディア(ディーゼル車)による自動運転の試験を行なっており、これまでにフェニックス・オクラホマシティ間の貨物輸送など、実際に顧客の荷物を輸送することに成功している。
ダイムラーグループが自動運転トラックに多額の投資をし、積極的に開発を進めているのは、将来的にこの分野が巨大な市場を形成すると考えているからだ。
世界的なトラックドライバー不足などを背景に、同社は自動運転トラックが非常にスケーラブルで利益率の高い市場機会をもたらすと見ており、早ければ2030年にもダイムラーグループだけで30億ユーロ(約5000億円)の収益と10億ユーロ(約1700億円)の利益を生み出すと予想している。
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