キャリアカーのトップメーカーとして知られる浜名ワークスだが、ジャパントラックショー2024では開発中のクルマなどを運搬する「秘匿運搬車」を異例の一般公開。その性質上、これまでほとんど表に出る機会がなく、ベールに包まれていた秘匿運搬車の個別レポートをお届け!!
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2024年6月10日発売「フルロード」第53号より
見た目はウイングボディ、でも中身は全然違います!
秘匿運搬車は、開発中あるいは発表/発売前のクルマなど「公の目に触れさせたくない車両」を運ぶクルマ。秘匿運搬車という呼び方はあくまでも便宜的なものという。
出品車両は日野プロフィアのショートキャブGVW23トン低床3軸後輪エアサス6×4車型FQで、上モノとして乗用車2台を積載可能な荷台、大型テールゲートリフタ、道板や固縛用器具の収納、およびウイングボディを架装している。
ウイングボディを採用するのは、企業秘密の積み荷を風雨雪から守り、かつ衆目に触れさせずに運ぶのが第一義だろうが、むろん擬態効果もあるだろう。
特殊なギミックを満載した荷台の構造
荷台は前方部分に油圧式リフトフロアを組み込んでいるのが大きな特徴。その役割は、1台をリフトフロアで持ち上げ、荷台後ろ側のもう1台のフロントあるいはリアをその下に収めるためだ。
この構造により、荷台長10メートル未満のウイングボディに全長5メートル超のラージ級乗用車2台を完全収容しながら、全高を抑え、非使用時は前後ツライチの広い荷台として使うことができるようになっている。なお、後側荷台床下には電動ウインチも内蔵する。
大型テールゲートリフタはクルマの積み降ろし用で、2.8トンにも及ぶ重さ、3メートルに迫る軸距を持つ大型SUVを積載すべく、リフタ構造と、それを支持するリア門構は、非常に頑強な設計となっている。
ウイングボディは浜名オリジナルの「ハミック」で、センタービームレス構造とクランクルーフ機構によりフル開放時の開口面積が大きく、優れた荷役性を特徴としている。
リフトフロア、リアゲート、アウトリガ、ウイングの作動は一般的な電動油圧式だが、ユーザーの協力を得て、環境に優しい非オイル系作動液の実証実験を実施中。自動車を積まない場合はドライウイング車として、帰り荷などで一般雑貨/機械類も運べる設計だ。
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