「トロッコ王国美深」は旧国鉄美幸線の廃線跡を利用した体験型施設。エンジン付きの軌道トロッコを自分で往復約10kmもの距離を運転できる。北海道旭川から北に100㎞程離れた場所にあり、けっして便利場所ではないが、全国各地から観光客が訪れる
美幸線は宗谷本線美深駅から北東方向、オホーツク海に面した幸浜北線の北見枝幸駅を目指して建設がすすめられ1964年、途中の仁宇布駅までが先行開業。この先57.5㎞の予定区間は1985年まで工事が続けられたものの、結局全線開通をすることはなく、先行して開業していた区間も含めて1985年9月17日に全線廃止となった。写真は美幸線さよなら列車(美深駅2階の旧国鉄美幸線資料館展示品を複写したもの)
日曜以外に美深~仁宇布を1日5往復するデマンドバス。完全予約制で予約の無い便は運休する。バスと言いつつ車両はハイエース
これがトロッコ車両。リアにホンダ製汎用エンジンが搭載されており、アクセル操作のみで自走する。最大6人乗れて、25㎞/h程度出るのだが、風を遮る車体などがないので、体感速度は思いのほか高い
トロッコは前にしか進めないため、起点の旧仁宇布駅では専用の転車台で向きを変える。終点にはぐるっと1回転するループ線が設置されている
「トロッコ王国美深」の“入国手続き”は旧仁宇布駅跡に設けられたこの建物で。木造平屋の北海道らしい建物だ。中には美幸線廃止時の看板などが展示されている
農機具などに使われるHONDAの汎用小型エンジンを後部に装架し、チェーンで車軸に動力を伝えている。この写真は272㏄のG300型エンジン
道と交わるところではトロッコ側が止まって道を譲る。線路がヘロヘロに歪んでいるのはご愛敬
小さいながらも橋があり、ちょっとスリリング。コンクリート橋なので道床下が見えるわけではないが、左右にフェンスがあるわけではないので視界が開ける
仁宇布から約5kmの終端部。線路はぐるりと大きくループして出発地点へと戻る