新型クラウン高齢化が進む 起死回生の一手


■レクサスと共通のプラットフォームを採用

次は走行安定性と乗り心地について述べる。

新型クラウンのプラットフォームは、レクサスLS/LCと共通化した。クラウンの全幅はLSに比べて100mm狭いから、完全な共通化は無理だが、基本的な造りは同じだ。開発段階からさまざまな全幅に対応できるよう多用途性を持たせた。従ってこれから発売される後輪駆動を採用したトヨタの乗用車には、このプラットフォームが多く使われる。

2.5Lのハイブリッドを搭載したGは、旧来のロイヤルサルーンに相当するグレードだ。タイヤサイズは17インチ(215/55R17)で、乗り心地を快適に仕上げた。操舵に対する反応は自然で、カーブを曲がる時も良く踏ん張る。危険を回避する時を含めて後輪の接地性が高く、低重心で高剛性というセダンのメリットを感じさせる。

スポーティなRSでは、エンジンを問わずタイヤサイズがすべて18インチ(225/45R18)になり、サスペンションにはショックアブソーバーの減衰力を切り換える機能が備わる。

■ベストグレードは2.5Lハイブリッドの……

基本的な性格はハイブリッドGと同様に後輪の接地性と安定性を重視するが、RSは操舵感が少し機敏だ。車両の向きを変えやすく、カーブを曲がっている時は、外側の前輪を中心に踏ん張り感がさらに強い。前後輪のグリップバランスはGと同じだが、カーブを曲がる性能を引き上げた。

その代わり乗り心地は少し硬く、Gに見劣りする。タイヤが路上を細かく跳ねる粗い印象は抑えたが、低い速度域では路上のデコボコを伝えやすい。

注意を要するのは3.5Lのハイブリッドだ。エンジンとモーターの性能が両方ともに高く、18インチタイヤを装着しながら(3.5Lハイブリッド搭載車に16/17インチはない)、カーブを曲がっている時のアクセル操作次第ではタイヤのグリップ不足を感じる。3.5Lハイブリッドを搭載するなら、シャシー性能をさらに引き上げる必要があるだろう。

そうなるとベストグレードは、穏やかに、滑らかに走ることを重視するなら2.5LのハイブリッドS・Cパッケージだ。Sは実用的な機能を中心にバランス良く装着した買い得グレードで、Cパッケージを選ぶと安全装備を割安に追加できる。

スポーティに走りたいなら、2LターボのRSを推奨する。動力性能が高くATは8速だからメリハリがある。新しいプラットフォームの採用でサスペンションの取り付け剛性なども高まり、乗り心地は少し硬いが、安全性と快適性の優れたスポーツセダンだ。

両グレードともに価格は500万円台の前半に収まり、メルセデスベンツC200アバンギャルド(530万円)、BMW320iスポーツ(560万円)と同等か、それ以下だ。クラウンのボディサイズと居住性が、メルセデスベンツEクラスやBMW5シリーズに匹敵することを考えれば、競争関係で有利になる可能性もある。

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