シトロエンから新世代のフラッグシップモデルとして日本に上陸した「C5 X」。セダンとステーションワゴン、さらにはSUVまでを融合させたクロスオーバーモデルだ。
10月1日に発売開始となった注目モデルの全貌を自動車評論家 大音安弘がお届けする。
※本稿は2022年9月のものです
文/大音安弘、写真/CITROEN、ベストカー編集部 ほか、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』2022年10月10日号
■シトロエンの新型フラッグシップ「C5 X」が日本に上陸
シトロエンのフラッグシップサルーンの復活を告げる新型車C5 Xが登場。
同車は、CXやBXなどのテールゲートを備えたXシリーズの最新作という位置づけで、セダンの優雅さとステーションワゴンの実用性に、SUVの力強さを組み合わせたクロスオーバーモデルに仕立てられている。
ボディサイズは、全長4805×全幅1865×全高1495mmで、全長と全幅は、導入される現行シトロエン車としては最大を誇る。
しかし、その存在感を最も際立たせるのは、やはりシトロエンらしい個性的なスタイリングだ。
デザインの原点は、2016年のパリモーターショーで発表されたコンセプトカー「CXPERIENCE CONCEPT」だが、最新世代の薄型フロントマスクには、先代C5の面影が感じられ、リアスタイルも、かつてのフラッグシップサルーン「XM」を思い起こさせるなど、シトロエンの歴史を反映したものに仕上げている。
最新鋭となるコックピットは、水平基調のダッシュボードに、シトロエン最大となる12インチのタッチスクリーンを配置。
メーターパネルは小ぶりだが、表示の大きいヘッドアップディスプレイとの組み合わせで、ドライバーに必要な情報を安全に提供してくれる。
特徴的な点はトリムやシートなどに施されるパターンやステッチにも表われ、シトロエンの象徴であるシェブロン柄が、巧みに取り入れられているのも面白い。
わかりやすいのはシートのステッチだが、実はシート表皮やシボ加工などにも巧みに取り入れられている。ほかのシェブロン柄は、ぜひ実車で探してみてほしい。
後席は2785mmのロングホイールベースの恩恵により、先代C5よりも広々。
またラゲッジスペースは、標準545L~最大1640Lを確保。
アクセス性に優れるテールゲートの強みを活かすべく、ハンズフリー電動テールゲートも全車標準とした。
パワートレーンは、1.6Lのガソリンターボと、それにモーターを追加したプラグインハイブリッド(PHEV)の2タイプを設定。
エンジン出力は、ともに最高出力180ps、最大トルク25.5kgmを発揮。
PHEVは、最高出力110ps、最大トルク32.6kgmの電気モーターを追加し、システム全体で、225ps/36.7kgmを発揮。
EV航続距離は65km(WLTC)と公表される。充電は、200Vの普通充電のみ対応だ。
PHEVには新たな電制ダンパーが採用されるのも、トピックのひとつ。かつて魔法の絨毯と称えられた乗り味が、新フラッグシップでどのように表現されるかも楽しみだ。
●シトロエン C5 X(SHINE PACK PLUG-IN HYBRID)主要諸元
・全長×全幅×全高:4805×1865×1490mm
・ホイールベース:2785mm
・エンジン:1598cc、直4DOHC
・最高出力:180ps/6000rpm
・最大トルク:25.5kgm/1750rpm
・モーター最高出力:81ps
・モーター最大トルク:32.6kgm
・WLTCモード燃費:17.3km/L
・価格:636万円
●車両価格
・SHINE:484万
・SHINE PACK:530万円
・PLUG-IN HYBRID:636万円
コメント
コメントの使い方