1960年代から70年代にかけて、アメリカの若者を釘付けにしたマッスルカー。手頃な2ドアクーペに大排気量V8エンジンを積み、怒涛の加速力を誇ったモンスターを指すが、そのマッスルカーの大御所ダッジがとんでもないクルマを作った。電気モーターを積んだマッスルカー「チャージャー・デイトナ」だ!
文/ベストカーWeb編集部、写真/ダッジ
■2022年のコンセプトカーを市販化!
噂は前からあった。2022年の夏、「ダッジ・スピードウィーク」と題したファンイベントで、ダッジは「チャージャー・デイトナSRTコンセプト」というプロトタイプを発表したのだ。
このプロトこそ、ダッジが現代によみがえらせた電動マッスルカー。1960年代~70年代にかけて、アメリカの自動車シーンを席巻したモンスターの興奮を、BEVで復活させようという試みだ。
確かにこの狙いは的を射ていた。電動化という流れのなかでダッジの存在感を高めようと思えばやはり「マッスル」だし、電気モーターは瞬発的なスタートダッシュがなにより得意だからだ。
そしてそれから1年半。ついにその電動マッスルカーが市販車として姿を現した。それこそが新型「ダッジ・チャージャー・デイトナ」だ。
改めて概要をまとめると、新しいチャージャー・デイトナは、通常のガソリンエンジンモデル(3リッター直6ツインターボ。550ps)の上位グレードとしてBEVを設定した点がミソ。BEV版の車台にはステランティスの大型BEV向けプラットフォーム「STLA」を初採用している。
■ガソリン車並みの大音量サウンドを発生!
BEV仕様は2グレードあり、最強モデルのスキャットパック(670ps)のほか、スタンダード仕様のR/T(ロード&トラック。496ps)も選べる。
エクステリアだが、これまでのチャージャー以上にシンプルな印象。特にフロントマスクは横長のプレーンな顔つきだが、実はここ、ボンネット上に空気を流すフロントスポイラーを兼ねている。左右を貫く一文字のデイタイムランニングライトも印象的だ。
装備だが、BEVとはいえマッスルカーを名乗るに恥じないもの。ブレーキはフロントが16インチのブレンボ製ディスク+6ピストン(リアは4ピストン)だし、タイヤはフロント305/35ZR20、リア325/35ZR20というファットなサイズのグッドイヤー・イーグルF1スーパーカー3を履く。
いっぽうかつてのマッスルカーとの最大の相違点は4WDであること(スキャットパック)。ボディ前後にそれぞれ電気駆動モジュールを搭載し、それぞれが335psを絞り出す。フロントモーターは駆動系と遮断することもでき、通常走行時の電費向上に貢献する。
驚くべき装備もある。それが大音量エキゾーストを響かせるサウンドシステム。「フラッツォニック・チャンバード・エキゾースト」と呼ばれるダッジ独自のデバイスで、EVにも関わらず最強ガソリンモデル「ヘルキャット」と同じ126dBという爆音を車内に響かせるのだ。
この他「パワーショット」という機能も備えている。これはモーター出力を15秒間だけ40psアップできるもので、ゼロヨンイベントやスポーツ走行などで威力を発揮しそうだ。
ダッジ・チャージャー・デイトナ・スキャットパックのパフォーマンスは、0-400m加速が11.5秒、0-90mph(約145km)加速が3.3秒。現在ダッジは日本に正規輸入されていないが、内燃機関の楽しさを感じさせるBEVとして、ぜひ間近で姿を見てみたくなる1台だ。
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