ライズ納車待ち4.5カ月!? コロナ禍に左右される生産体制と販売店の実情に迫る

 コロナウイルスの感染拡大を受けて、自動車会社各社は工場の一時稼働停止などの対策に出ている。それを受けて新車の納車時期にも遅延が生じている。

 そのなかでも多くの人気車種を抱えるトヨタは、遠藤徹氏の調査によればヤリスで最大4カ月程度の納期がかかっており、車種によってはコロナウイルスによる工場操業停止でこれまでより納期がかかるようだ。

 多くの販売店の現場を取材する遠藤徹氏が最新のトヨタ主要車種の納期情報をまとめました。あなたの納車待ちはいつ頃になるでしょうか?

※各納期情報は4月下旬に遠藤氏がディーラーで調査したものです

【画像ギャラリー】2020年4月末現在のトヨタ主要車種の納期

文:遠藤徹/写真:TOYOTA


■ライズが納車4.5カ月待ちの大盛況

 トヨタの主軸モデルの納期がここに来て、大幅に先送りになっている。主な車種はヤリス、カローラスポーツ、ライズ、シエンタ、ルーミー/タンク、ノア/ヴォクシー/エスクワイア、アルファード/ヴェルファイアなどだ。

 主な理由は新型コロナウイルス感染拡大の影響で生産している工場が時折稼働停止になっていること。それに加えて各車種の人気が高く、受注残が貯まっており生産が追い付かない、販売店が営業短縮や訪問セールスの自粛でセールス効率が悪くなっていることなどが上げられる。

新型ハリアーなどトヨタ販売店には明るいニュースがあるが販売現場はコロナ禍で苦戦している

 4月下旬現在の前述車種の納期はヤリス4カ月、カローラスポーツ3カ月、ライズ4.5カ月、シエンタ3カ月、ルーミー/タンク2.5カ月、ノア3兄弟2.5カ月、アルファード/ヴェルファイア3カ月などである。

 ヤリスの発表は昨年12月20日だが、先行予約は11月上旬から開始していたので、発売までに月販7800台の計画に対して3万台以上にも達し大幅に受注残が貯まった。その後も順調に売れていたので、納期がさらに先送り状態になっている。

  カローラスポーツは6月1日に一部改良、同時に特別仕様車を設定して商品ラインアップを強化する。従来モデルはすでにオーダーストップになり、改良モデルの先行予約をスタートさせているところ。生産開始は6月に入ってからだから、納期は早くて7月以降となる見通し。

 ライズとルーミー/タンクはダイハツからのOEM供給車だ。人気が高い上に新型コロナウイルス感染拡大の影響で断続的に組み立て工場の稼働停止が行われているので、これまた納期が先送り状態になっている。

大人気のライズの納期は4.5カ月ほど。売れるクルマだけに納期が長引くのは販売店には苦しいか?

 シエンタは6月2日に一部改良する。カローラスポーツ同様に従来モデルは生産中止しており、改良モデルの事前受注が始まったばかりで、納期は遅れ気味になっている。

 ノア3兄弟は4月27日に一部改良し、ヴォクシー/エスクワイアは車種整理を行った。5月から全店併売に切り替わり、さらに受注ピッチが上がっているので生産が遅れ、納期も大幅に遅れ気味になっている。

 アルファード/ヴェルファイアは4月20日に特別仕様車を設定発売した。こちらもノア3兄弟と同じで全店併売になるので、余計に受注が集中している。それ以前でも引っ張りだこに人気で納期は遅れていたので、さらに生産が追い付かなくなっている。

 このほか、6月17日にはハリアーがフルモデルチェンジし、同日にRAV4 PHVが発売になる。どちらも新型車効果で売れ行きが好調になる可能性が強く、いきなり3カ月以上の納車待ちになると思われる。

■販売店は営業時間短縮などで苦戦をしている

 いっぽう、トヨタの販売店各社は新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、営業時間の短縮、訪問セールスの自粛、新聞の折り込みチラシの中止などを実施している。

 営業時間はこれまで朝10時から午後7時までが多かったが、これを最近は朝10時半ないしは11時オープンなどと遅らせ、夕方は1時間早い18時の閉店などにするケースが多く見られる。

シエンタなど売れている車種が多いトヨタ販売店。販売現場の苦悩が続く

 訪問セールスはユーザーの自宅や企業の勤務先など戸別セールスを行っていたのを、最近は対面を避けるためにほとんどゼロにしている。新聞の折り込みチラシは週末フェアの案内を中心に毎週金曜日に実施していたのをゼロに近いくらい取りやめている。

 これらによって販売店各社の営業活動が縮小し、新車の売れ行きが低迷することに繋がっている。ユーザーとの接点が少なくなるので、販売台数は低迷する。これを見込んでメーカーは生産台数を絞らざるを得ない状況になり、これも結果的に納期が延びる要因になっているのである。