トヨタ自動車は2024年5月8日、2023年度(2023年4月~2024年3月)の通期連結決算を発表した。本業のもうけを示す「営業利益」は前期比96.4%増の5兆3529億円と過去最高を更新。営業利益が5兆円を超えたのは日本企業で初めてとなる。
文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ自動車記者会見より
■将来に向けた投資は計1兆7000円億円
「今回の実績は、長年の商品開発と、経営基盤によるものだと思っております。今期もモビリティカンパニーへの変革に力を入れてまいりたいと考えております」
製造業として初…どころか日本企業初の営業利益5兆円超えを達成したトヨタ。世界的に需要が高まったハイブリッドカー需要、円安に振れた為替市場を背景に、空前の業績を叩き出した。
通期での世界販売台数はトヨタ・レクサスの2ブランドだけでも1030.9万台と初の1000万台超え。この強力な財政基盤とグローバル商品戦略を背景に、来期(2025年3月期)以降に向けて設備投資を1.1兆円(前期比4000億円アップ)、研究開発費6000億円(前期比1000億円アップ)をつぎ込む。
以下は決算にあたって、来期以降に向けたトヨタ公式コメント。
(引用ここから)
トヨタは「幸せの量産」を使命に、モビリティカンパニーへの変革にチャレンジしています。長年にわたって築いてきた商品や事業、財務における強固な経営基盤の上で、現在は「ビジョンを具体に落とす」ために実践的な取り組みを加速しています。
「モビリティカンパニーへの変革」を通じて当社が目指していることは、クルマの進化に取り組むことで、笑顔があふれる「モビリティ社会」の実現に貢献していくことです。新しい産業構造をつくっていくことを視野に入れて、多くの仲間とともに挑戦していきたいと考えています。
そのカギは、エネルギーとデータの可動性を高め、モビリティの価値を高めていくことであると考えています。「電気」と「水素」が支える未来を見据えて、クルマが媒体となってエネルギーを運び、再生可能エネルギーを軸とする社会づくりに貢献していくことに加え、データが生み出すモビリティの価値で、お客様の暮らしをもっと豊かにしていくことを目指しています。」
(引用ここまで)
つけ入る隙が見当たらない。なお、トヨタの来期における想定為替レートは、通期平均で1米ドル=145円、1ユーロ=160円が前提。現時点ので為替相場(1ドル=155円)が続けばさらに営業利益を押し上げることになるだろう。
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