クルマ好きなら一度は座ってみたい“クラウンのシート”。その座り心地がオフィスで味わえるとしたらどうだろう。トヨタ紡織とイトーキが共同開発した「CROWN SEAT Desk Chair」は、自動車用シート技術を応用した新発想のデスクチェアだ。快適性と実用性の両立、その実力に迫る。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
クルマのシート技術がオフィスへ! “座り心地革命”の中身
トヨタ車のフラッグシップとして長年支持されてきたクラウン。その“座り心地”を支えてきたのが、トヨタ紡織のシート技術である。今回発表された「CROWN SEAT Desk Chair」は、その自動車用シートの快適性をオフィス空間に持ち込むというユニークな試みだ。
開発の主軸はトヨタ紡織だが、見逃せないのがオフィス家具の老舗・イトーキの存在。チェアの脚部や高さ調整機構、アームレストなど、デスクチェアとしての基本性能を担う構造設計において技術協力を行っている。いわば“クルマのシート×オフィスチェア”という異業種融合の結晶である。
今回の開発で重要視されたのは「異なる着座姿勢への対応」だ。クルマの運転姿勢と、デスクワーク時の姿勢は大きく異なる。そこで、シート構造を複数ユニットに分解し、座面の高さや角度を最適化。さらに荷重バランスや可動部の制御を細かく調整することで、安定性と操作性を高めている。
このあたりは、長時間運転でも疲れにくいシートを作り続けてきた自動車業界と、長時間作業を支えるオフィスチェア開発のノウハウが見事に融合したポイントと言えるだろう。
“クラウン品質”は仕事効率を変えるか
近年は在宅勤務やハイブリッドワークの普及により、「椅子の質」が仕事のパフォーマンスに直結する時代になっている。そうした背景を踏まえると、この製品は単なるコラボ商品ではなく、働き方の進化に応える提案とも言える。
実際、クルマのシートは長時間でも身体への負担を軽減するため、クッション性や体圧分散に優れる設計がなされている。これをデスクチェアに応用することで、腰や背中への負担軽減が期待できるのは想像に難くない。
一方で注意点もある。あくまでクラウンのシートを“ベースにしたデスクチェア”であり、完全な車両シートそのものではない。また、販売はクラウン専門店「THE CROWN」に限定されており、一般的なオフィス家具のように気軽に試座できる環境は限られる。
それでも、「クルマ好きのための理想のワークチェア」というコンセプトは非常に魅力的だ。愛車のように“座る楽しさ”を日常に取り込む――そんな新しい価値観を提示した点で、本製品は注目に値する。

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