シビックセダン&グレイス廃止でどうなる!? ホンダ新セダン戦略の行方

 ホンダがグレイス、シビックセダンの国内モデルを相次いで間もなく廃止! ホンダ自身も公式にこの生産終了について認めた。

 グレイス、シビックセダンともに国内での販売は苦戦気味だっただけに、生産終了はやむを得ない部分もあるだろう。

 ただ、両車の廃止によって、ホンダの国内セダンラインナップは、インサイト、アコード、レジェンドとかなり数が絞られることになる。

 ホンダは国内のセダンラインナップはどこへ向かうのか? 生産終了に対する反響と合わせて、遠藤徹氏が現場の声をレポートする。

文:遠藤徹、写真:ホンダ、奥隅圭之

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グレイスとシビックセダンがなぜ7月に生産終了?

グレイス特別仕様車 BLACK STYLE

 ホンダはこのほど、グレイスを7月、シビックセダンを8月にそれぞれ生産中止すると傘下ホンダカーズ店に通達した。その理由としてメーカーの本田技研工業は「事業性を考え、日本のラインアップを再検討した結果」と説明している。

 要するに「売れ行き不振で収益が上がらず、赤字になっているので止める」ということである。

 販売店の見方は「最近の国内セダン市場はますます縮小し、売れ行きの不振状態がつづいている。こうした状況はホンダだけでなくトヨタはじめ日産、スバル、マツダの各社も同様である。

 売れないモデルを扱っていても仕方がないので生産中止はやむを得ないだろう」(首都圏ホンダカーズ営業担当者)と大方の扱い店は一様にコメントする。

シビックセダン(2020年マイナーチェンジ)

 ただ一部には「シビックセダンはまったくの売れ行き不振であり、5ドアハッチバックやタイプRがあるので、ブランドがなくなるわけではないので、マイナスの影響は少ない。

 グレイスはフルモデルチェンジすればある程度復活できる余地があるのでもったいない」と指摘する意見もある。

 今年1~3月の月販平均はシビックセダンが137台、グレイスは390台であり、いずれも全国2000拠点の店舗が半年間1台も売っていないという計算も成り立つような少なさである。

 日産よりはましだが、トヨタの主軸モデルに比べると大きく引き離されている状況にある。

納期の状況はいかに?

アコード(2020年)

 ホンダのセダンはこれらの他レジェンド、アコード、インサイト、クラリティなどがある。

 アコードは今年2月20日にフルモデルチェンジしたが、それほど売れているわけではない。現行モデルからタイ製の輸入モデルに切り替えられ、グレードもひとつだけに絞り込んだので、安定期には月販500台以下にとどまるようになる見通しである。

アコード(色:ルナシルバー・メタリック)

 首都圏にあるホンダカーズ店で両モデルの見積もりを取ると、シビックは標準タイプ1グレードで有料色のプラチナホワイトパール(車両本体価格279万9500円)にナビ、ETC、ドライブレコーダー、コーテインング、フロアマット、ドアバイザー、ライセンスフレームなど40万円程度のオプション&付属品を付けて弾いて貰うと法定、法定外費用を含めて、総額350万円弱と出た。

 受注生産のため、納期は3ヶ月待ちの9月となっている。車両本体値引きは初回回答で20万円、オプション&付属品から4万円と出た。最終的にはトータルで30万円以上は可能だろう。

 グレイスは売れ筋の上級グレードハイブリッド、「EX」FFの有料色(車両本体価格342万9900円)のプラチナホワイトパール、ナビ、ETC、ドライブレコーダー、コーティング、フロアマット、ドアバイザー、ライセンスフレームなど44万円弱のオプション&付属品をつけて弾いて貰うと、総額305万円強となった。

 値引きの初回回答は車両本体から15万円、オプション&付属品から5万円、合計20万円となっている。最終的には25万円くらいでの決着が予想される。見込み生産分の在庫がまだあるので、納期は7月中旬と1ヶ月程度と短めである。

グレイス、シビック以外のホンダセダンの状況は?

レジェンド(2018年マイナーチェンジ)

 一方他のセダンだとまずレジェンドは現行モデルの登場が2014年11月10日であるから、6年近くが経過するので世代交代してもおかしくない状況である。

 ビッグマイナーチェンジを実施するとの情報が流れたり、消えたりしているが、販売店筋によると「今年中のモデル変更の予定はないようだ」としている。

 インサイトは2018年12月13日にフルモデルチェンジし、商品力を大幅にアップしたが、思うように売れていない。今年1~3月の月販平均台数は388台でグレイス並みである。

インサイト(2020年5月マイナーチェンジ)

 こちらは1.5Lハイブリッドの2モーター方式エンジンを最初に投入したのだが、大幅なクオリティアップで、車両本体価格が332万2000~356万4000円とバカ高くなり過ぎたのがネックになっている。

 今後マイナーチェンジで路線変更し、それでも販売低迷が続くなら、モデル廃止を迫られる可能性がある。

 クラリティは月販10台以下と少ないが、引き続き生産を継続している。レジェンド以下4モデルがモデルを廃止せずに継続しているのは、ホンダのハイテクを具現化している代表モデルなので戦略的に必要といえる。

クラリティPHEV(2018年)

 またアコードはホンダ車のグローバル戦略車、レジェンドはアキュラブランドの代表格といった事情もありそうだ。

首都圏ホンダカーズ店営業担当者の証言

 シビックセダン、グレイスとも販売不振で収益が上がっていないので、生産中止するのはやむを得ない。

 ただグレイスはフルモデルチェンジしてフィットのように1.5リッターハイブリッドを1モーター2モーター方式にすれば、売れ行きは良くなるかも知れないのでチャレンジして欲しいとの思いもある。

 セダンはトランクルームが分かれていて、荷物の積載性が悪いので、どうしてもミニバンや5ドアハッチバック車に比べるとニーズは低くなる。

 日本だけでなくグローバルでもマーケットが小さくなり、生産中止モデルが増える傾向にある。

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