累計2000万台!! ホンダの名門 10代目アコードは日本市場で再起はあるか

累計2000万台!! ホンダの名門 10代目アコードは日本市場で再起はあるか

 10代目となるホンダ「アコード」の撮影会が、1月下旬に行われた。

 アコードといえば、1976年の初代発売以来、40年以上の歴史を持つホンダの看板車種。デビュー以降、世界120以上の国と地域で販売され、累計2000万台以上が送り出されている。

 10代目アコードはすでに2017年秋に北米、2018年春に中国でも販売が開始されており、いわば満を持しての国内投入と言える。今回は、2020年2月21日に国内で発売された新型アコードの詳細を紹介していきたい。

※本稿は2020年2月のものです
文/ベストカー編集部
写真/中里慎一郎
初出:『ベストカー』 2020年3月10日号

【画像ギャラリー】新型アコードの気になる内外装をさらに詳しく紹介!!


■美しい外観、実用性も備える上質な内装

 10代目アコードの開発責任者、宮原哲也氏は

「ユーザーに話を聞くとアコードはすべての項目で80点以上、目立ったネガがないと言われるが、それは特徴がないことの裏返しとも言える。エモーショナルさが足りない」

と言い、かっこいいスタイルで世界を舞台に戦えるミドルサイズセダンを目指したと語った。

「今までのどのアコードよりかっこいいと思ってもらえるものを目指した」と開発責任者 宮原哲也氏が語った新型アコードのデザイン。ロングノーズと低められた全高が特徴だ
シャープなキャラクターラインと張り出したフェンダーによる力強い下半身が特徴的なリアスタイル

 事実、10代目アコードは美しい。全長4900×全幅1860×全高1450mmのボディディメンションは、現行比で45mm短く10mmワイドで全高も15mm低い。さらにAピラーを100mm後方へ移動させることで、FFでありながらFRのような長いノーズが与えられた。

 ボディサイドを走るキャラクターラインも鋭く、決して過度ではないものの、存在感をしっかりと主張するデザインとなっている。

 コンサートホールをイメージしたという内装も白眉の出来だ。ケヤキをモチーフにしたインテリアパネルやインナードアハンドルなどに採用されたプラチナクロームメッキ仕上げが上質感を演出するが、実用性も疎かになっていない。

 後方に移動されたAピラーは断面を20mm低減され、ワイドな運転視界を実現。現行より55mm伸ばされ2830mmとされたホイールベースは、膝回りで現行比プラス55mm、足もとでプラス70mmという圧倒的な広さの後席空間を生み出している。ホンダのまじめな開発姿勢がうかがえる完成度だ。

水平基調でデザインされたインパネとワイドな運転視界。使用されている部材の質感も高い

■進化したボディと優れた足回りが生む爽快な走り

 10代目アコードに搭載されるパワートレーンは、2Lのi-VTECエンジン+2モーターの、i-MMDあらためe:HEV。レアアースを使用しない新モーターのパワーに期待が膨らむが、その出力を支えるボディ、足回りも大きく進化している。

エンジン出力は現行から変わりなく145ps/ 17.8㎏mのままだが、型式は「LFA-H4」から「LFB -H4」となった。モーター出力は184ps/32.1㎏m

 ロール慣性モーメントで7.2%、ヨー慣性モーメントで1.7%それぞれ低められた新プラットフォームに、曲げ剛性が24%、ねじり剛性が32%高められたボディ。そして選択したドライブモードに合わせて減衰力特性を変える「アダプティブ・ダンパー・システム」。それらが新型アコードに爽快かつしなやかな走りを与えている。

 安全運転支援システム「ホンダセンシング」も装備し、全方位的に進化した新型アコード。進化の代償として価格は現行型より若干上昇する可能性が高いが、ブランドにとらわれず、本物・本質を見極めることができる大人にお薦めしたい良質セダンだ。


 上の表は先代型の販売状況。一番多かった月でも143台、新型登場を受けて終盤に落ち込んだ影響はあるが、月平均はわずか88台と日本市場では苦戦している。

 ホンダの看板車種であり、名門セダンなだけに、新型投入で復活を目指し奮起してもらいたいところだ。

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